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学生の体験記:
2018春 ノルウェー隊

ノルウェー(Nofima).jpg ノルウェー(IMR、NSO).jpg
食品生産科学科 2年

サバはノルウェーで3番目に多く漁獲される魚であり、日本にとっても和食文化に欠かせない魚であるということからも分かるように、サバは両国にとって重要な魚です。現在、サバは加工されず丸ごと冷凍してノルウェーから輸出されることが多いですが、自国で加工すれば付加価値がつき、未利用部分を除くことで輸送費を削減することができます。今回はそのようなバックグラウンドの下に研修を行いました。

研修では、1年間冷凍保存した真空パックのフィレとグレージング加工したフィレに対して、下記の3項目の試験を行い、保存方法の違いによる品質の差を調査しました。身割れの度合いの調査ではルーブリック評価を用い、試料1切れずつ目視で身割れの数や大きさを数えました。結果、真空パックでは小さい身割れの方が多かったものの、グレージング加工したフィレでは大きい身割れが目立ちました。よって身割れの観点では真空パックの方が良い、という結論になりました。

色素分析では、フィレの色素を PCソフトを用いて数値で表し分析しました。実験の結果、真空パック包装したフィレの方が赤みは強く、グレージング加工したフィレは黄色みが強いということがわかりました。黄色いということは酸化が進んでいるということを意味するため、真空パックの方が鮮度は保たれるということがわかりました。

テクスチャー分析では、圧縮試験でフィレの弾性を測定しました。弾性が小さいということは筋肉の軟化が始まっているということを意味するため、大きい方が鮮度は保たれているということになります。しかし、今回の実験では保存方法の違いによって有意な弾性の違いは見られず、圧縮試験では十分に品質の違いを評価できないという結論になりました。

今回の実験を通して、見た目(身割れ、色)の観点では真空パックの方が保存性に優れているということがわかりました。しかし、我々日本人がサバを購入する際には栄養面や味、値段など様々な要素を考慮するため、さらに研究をしていかなければならないと感じました。

この研修を通じて、様々な分野の専門家の方々と交流することができ、知識の幅を広げることができました。さらに、今まで大学の講義で習った専門知識を実際に応用することができ、研究の楽しさを味わうことができました。研究者として働くこと、海外で働くということについて知れたことは、私たちにとって貴重な経験になりました。 今後もノルウェーで学んだことを忘れずに生活していこうと思います。


海洋生物資源学科 3年

私たちは、ノルウェーの水産資源の維持管理や、漁業についての研究を行っているInstitute of Marine Researchおよび、水産資源の販売方法や、流通についての研究を行っている National sales organization for pelagic fish を訪問させていただきました。それぞれの研究機関がどんな取り組みをしているのか、水産業の課題や現状を踏まえながらプレゼンテーションとディスカッションを行わせていただきました。

水産大国であるノルウェーでは、私たちが普段スーパーマッケット等で見かけるサーモンやサバはもちろん、他のアジア各国やヨーロッパ向けにニシンの輸出を行うなど、水産業が重要な産業の一つになっています。国も水産分野における研究を推進しており、資源管理制度や養殖技術に関してとても先進的な研究がなされています。なぜ先進的な取り組みが出来るのか、ディスカッションを通じて日本人とは水産業に対する考え方に違いがあることに気付きました。私たちが水産業の発展はもちろんのこと、その横で漁業文化や水産物の安全面、環境汚染について意識しているのに対し、ノルウェーの人たちはより合理的に水産業を捉えていました。より効率良く水産物を採るためにはどうすればよいのか、最も良い資源管理法は何であるのか。この違いが、漁船の大型化、漁業の自動化、Eオークションがいち早く導入されたことにつながっていると考えます。また、ノルウェーの漁業は日本の漁業における、つらい・大変・収入が安定しないといった悪いイメージよりも、漁期が決まっている・高収入といった良い印象をもたれています。水産業に関わる仕事に就くことが、憧れや目標になっているということもとても印象的でした。

ノルウェーの水産業から学ぶことが、本当にたくさんあるというのが、今回の派遣を通じて思ったことです。技術面や制度面はもちろん、研究者たちの研究に対する取り組みの意識にもとても驚かされました。ディスカッションには参加者全員が積極的に発言することで、出されるアイデアが豊富になりクオリティが、時間が進むごとに上がっていきました。もちろん日本の水産業にも優れたところはたくさんあります。私たちが学んできたことを伝えると、日本ではそのような取り組みがあるのかと驚かれることも少なくありませんでした。これからの研究では、今回学んで来た良いところを今後に活かせるような活動が出来ればと思います。同時にノルウェーのおいしい水産物がより広まればと思っています。

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