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宮崎七海さん
PROFILE NO.4 宮崎七海さん 海洋生物資源学科4年

海外探検隊1期生タイチーム(2013年夏派遣)
オーストラリア語学留学(2014年3月)
指導教員立案型アルゼンチン派遣(2014年9月)

東京海洋大学に通う学生の中には、グローバルに目を向けた学生たちがたくさんいます。 第4回目のインタビューでは、海洋生物資源学科4年、集団生物学研究室に所属している宮崎七海さんにお話を伺いました。

七海さんは現在どのような研究をされていますか?

私の所属している研究室では生理学と分子生物学、生態学を主に取り扱っていて、私はそこで水温が魚の性転換に与える影響の事前予測を行えないか研究をしています。ある種の魚は水温によって性別が変化する性質があるので、水域の表面温度の変化を人工衛星から観測すれば現場を確認しなくてもその地域の魚に性比の偏りやその他の問題が起きているかを予測できるようになると考えています。先行研究の盛んなアルゼンチンの魚種について、水温・地表面温度の変化と魚の性転換とを照らし合わせて研究を進めています。

七海さんが海外を意識するようになったきっかけはありますか?

大学3年生で海外派遣キャリア演習に参加してタイへ行ったのが初めての海外経験でした。
父が海外の大学院に通っていたこともあって、父や母から直接海外の話を聞くことは多かったのですが、「海外にいくなら自分の力で行ってね」と言われていました。
海外の本や映画も好きでしたし、みんなの話を聞いていて面白そうだなとは思っていたのですが、なかなか海外へ行くチャンスがありませんでした。

大学3年生になって海外派遣のプログラムが海洋大学に新しくできたことを知りました。ようやく海外へ行けるチャンスだと思いました。自分1人で海外に行くのには勇気がいるけれど、大学からのサポートもある。また単に旅行するわけではなくて、現地の人とのやりとりも多いと聞きました。タイの大学や水産系の会社で経験を積めることも、これからの自分につながると考えてプログラムに応募しました。
そこでの1ヶ月間を乗り越えることができて、その経験が面白かったからこそ、英語ももっと話せるようになりたいと思いましたし、海外の友達をたくさん作りたいと思いました。
だから海外を意識するようになったのは海外派遣プログラムがきっかけだと思います。

海外を意識するようになったという海外派遣プログラムですが、派遣先のタイでのことをもう少しお話し下さい。

profile_no4_photo4.jpg始めの2週間はサムットサーコーンというバンコクの西側にある地域を訪れて、養殖と餌生産を行っている会社タイユニオンフィードミルで研修を行いました。会社の敷地を一歩出たら、道一本しかないような田舎でした。
現地の人の英語のなまりがすごく、お互いコミュニケーションするのも大変で、最初の1週間は本当に大変だったことを覚えています。
でも、仕事終わりに駐車場でスポーツをしたりと、だんだんと仲良くなるにつれて、毎日をどんどん楽しく心地よく感じるようになりました。
研修内容は、養殖魚への餌やりや、エビの健康管理、水質検査などで、現地の人たちの日常業務を少しずつ経験させてくれました。
特に記憶に残っていることが一つあります。ある日ドイツから水産系の薬品を売り込みに来た営業の方がいて、その際の交渉の現場に参加させていただきました。かなり専門色の強い営業職というのを目の当たりにして、こういう仕事もあるのか、と進路選択に影響を受けました。

次の2週間ではバンコクにあるマヒドン大学へ。
向こうの大学生と一緒に授業を受けたり、ゼミに参加したり。
驚いたのはタイ学生の英語のレベルの高さでした。学部生のうちから先行論文紹介を英語で行っていたんです、プレゼンのスライドも質疑応答も全部、英語!
同年代の人たちがこんなに英語を勉強していて、上手に話せている。まずいな、と思いました。もっと自分も勉強しなくちゃって。

4年生にあがる前の春休みに行った、オーストラリアでの語学留学のことについて教えてください。

研究室に入って忙しくなってしまう前に、英語圏の国でもっと喋れるように勉強をしたいなと思って、これまで貯めていたお金を使って1ヶ月間オーストラリアへいきました。
全ての費用を自分で払ったので、なるべく安く、シェアハウスに宿泊しました。アジア出身は私とラオス人だけで、ブラジル人やフランス人や、色々な国の人たちとの共同生活でした。
私はすごい節約生活をしていたので、毎食パンにジャムを塗っただけ、みたいなことをしていたのですが、優しいラオスの友達がおかずを分けてくれて嬉しかった。(笑)
みんなでスーパーのドーナツが半額になる時間を狙って買い物にでかけたり、共有キッチンで料理をしたり、楽しく遊びながらも、しっかりと語学学校に通い、コミュニケーションをして、英語の勉強になりました。

七海さんは4年生のときに1ヶ月間アルゼンチンに行かれていますよね。そこでのこともお聞かせ下さい。

profile_no4_photo3.jpg2014年の9月から10月にかけての3週間と少しの間、研究の一環でアルゼンチンに行きました。3年生のときにタイに行ったことで、自分は海外でやっていけるのかも、と自信がつきました。だから研究室も海外へ行くチャンスがあるところを探していたんです。教授が参加する現地の学会に出席することと、研究用のサンプリングが主な目的でした。
私の研究で扱う魚種はアルゼンチン原産のもので、日本ではあまり研究している人が少ないのです。日本で読んでいた論文の著者と出会えたのは衝撃的でした。

アルゼンチンの2人と、日本からは教授、先輩、私の3名でサンプリング調査を行ったのですが、サンプリング調査、といってもあれは"旅"のようなものでした。
1週間で3000km近くの車で移動して、湖を5カ所回りました。1日に10時間も車に乗っていた日もあります。
湖に行って、網をかけて、曳いて、かかった魚を測定して...
大変だったのは、観測する湖の周辺にコテージ以外に何もないときでした。テーブルに新聞紙を引いて解剖したりと、むりやり場所を作ってひたすら魚を捌いたのを覚えています。間に合わないときは夜中まで解剖していたことも...

大変な3週間ではあったけれど、南米の壮大な自然に触れたり、現地で出会う人たちもみんな良い人たちで本当に面白くて。帰国してからも誰かに話せる楽しい経験となりました。

七海さんの将来の目標はやこれからのことをお話しください。

将来は、外国の人と一緒に働くことに興味があります。
海外転勤があっても嬉しいです。海外に出ることは面白いし、自分の経験になるから。
行けたら絶対に楽しいと思います。
もちろんハードなことも多いと思うけれど、これまで訪れたタイやアルゼンチンのような少しタフさが必要なところでも、自分は楽しむことができたので、どこでも行けるどこでも楽しめる!そう思っています。最初は辛かったけれど、最後は楽しく終ることができた経験が、自信とモチベーションになっています。

宮崎七海さん

編集後記

タイでの経験もアルゼンチンへの留学もまさにサバイバル、大変なことも多かった、とお話をしながらもワクワク、ポジティブに溢れている姿が印象的でした。辛い課題・状況もプラスの意思で楽しいものに変えていく、Nanamiさんの姿勢を私も見習っていこうと思います。