menu

グローバル人材育成(海外派遣)

HOME > グローバル人材育成(海外派遣) > 海外探検隊キャリアプログラム > 派遣先企業の声 > Johnson & Johnson Asia Pacific 黒川氏(シンガポール)

派遣先企業の声
Johnson & Johnson Asia Pacific 黒川氏(シンガポール)

Regulatory Affairs Manager 黒川さん.jpg本プログラムを開発していくに当たり、私の懸念は学生達の専門性と意欲と語学力でした。海洋大学の学生がスキンケア製品の開発にどう貢献できるのか。近年学生の草食化といったことが声高に叫ばれている中、海外で自発的に行動し問題解決志向でプロジェクトに取り組める学生が来るのか。現地でプレゼンテーションと質疑応答をこなせるような語学力がある学生が来るのか。この三点が心配であったので、プログラム開発当初は当社の若い連中を巻き込んだ異文化コミュニケーション程度のものを想定しておりました。専門性の要らない、ある程度は日本でプロジェクトを片付けられる、そしてそんな突っ込んだ質疑応答のないもの。その程度で充分なのかと。

しかし、実際に学生達に会い、また現地でプレゼンをしてもらい、見る目が変わってきました。確かに専門性はないが、その分素人である学生の視点からきっちりと疑問点や興味を分析している。少ない時間で膨大な量のアンケートをこなしてきている。プレゼンテーションは論理構造がきっちりとしていて、現地の社員からは「英語面では全く問題ない」「専門ではないのにしっかりと分析できている」というフィードバックが来た。これらの点から、今回来た学生達は我々が考えているよりもずっとポテンシャルがあると認識させられました。

一日目のプレゼンテーションの後、学生達は「今回の調査を元にぜひ新商品を提案してください」「新製品提案は一つだけじゃなく二つ以上」とチャレンジングな提案を弊社社員から受けました。しかし、彼らはこの提案を断ることなく、シンガポール滞在中に100人以上の調査結果を入手し、プレゼンテーション前ギリギリまで粘って提案をくみ上げてきました。

その調査結果と提案内容の発表時、10人以上の弊社現地社員が集まってプレゼンテーションを聞き、ディスカッションを繰り広げました。弊社の社員はシンガポール人だけではありません。当初集まった社員の国籍はシンガポール、中国、オーストラリア、インドネシア、インド、フィリピン、日本と多岐に渡りました。このディスカッションを通じて、様々な発音の英語、思考方法や論理展開の一端にふれることが出来たかと思います。

結果的には私が当初持っていた懸念は完全に払拭されました。また彼らは実に素直に指摘された点を受け入れ、すぐに改良に生かし、日本の学生のポテンシャルを見せ付けられた形になりました。もちろん、分析や考察などでは多々改善点がありますが、そこは今後彼らが充分に勉強していけばよい点です。今回のキャリア演習では、そのような学校では学べない、様々なことを実体験として学べたと思います。

今、日本は様々にグローバル化のチャレンジを受けていると思います。国内市場は縮小傾向にあり、その上研究開発、製造拠点は国外移転に歯止めがかかりません。日本企業ですらそのような状況であり、外資系企業にとっては日本に拠点を持つ意味はあるのかというまでを問われている状況にあると思います。私の認識違いならばいいのですが、おそらくそうでもないでしょう。このような外的要因のなかで、貴学のグローバルキャリア演習が果たされる役割は少なくないと思います。語学は実務を行うにあたり最初のハードルではありますが、語学以外に、世界でメシを食っていくには何が必要なのか。異文化理解、情報収集、コミュニケーション、分析、考察、プレゼンテーション、度胸にチームワーク・・・貴学のこのプログラムを通じて学べることは非常に多いのではないかと思います。

今後、益々このプログラムに磨きがかかり、世界中で活躍する若い日本人がどんどん輩出されることを願ってやみません。今後も出来る限り協力させていただければと思います。

HOME > グローバル人材育成 > 海外探検隊キャリアプログラム > 派遣先企業の声 > Johnson & Johnson Asia Pacific 黒川氏(シンガポール)