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概要

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62私の台湾での活動は主に2つに分けることが出来ます。それは初日より8/11までの台湾大学での研究室滞在、その後8/17帰国までの博物館のインターンシップ、見学です。研究室では、自身の研究に関連する本や論文を読み、研究も基本的に自分で行い、まとめるということにはじめは大変戸惑いました。こちらは学部生ということもあり、ラボの方が隣で教えてくれるものだと考えていたからです。しかし、彼らは私を単なる留学生と見なさず私の将来の糧になればとの考えのもとで、まずは全てを私に任せました。まずは自分でやってみる。データの選択から使用方法、海流のプロット化までの一連の動作が出来るようになるためには時間がかかりましたが、それ以降は作業が大変スムーズになりました。何より自分で研究に関わることができたこと、海流研究の面?さに目覚めました。最終プレゼンテーションに向けても、私の所属するラボの方々に加えて別の研究室からも彼等の友人が来てくれ、本番さながらの練習を行いました。彼らは私に容赦なく、引用の仕方から内容の分かりにくい点、矛盾点を指摘します。何より建前というものが存在しないので、良いか悪いか彼らの表情に現れます。その甲斐あってスライドはより磨きのかかったものへと仕上がりました。研究室滞在を通して、改めて研究とは何か研究者とは何かを教わりました。特に私の所属する研究室は、基本的に海洋調査以外はPCを用いてデータを書き起こすという地味な作業が続きます。しかし、現実として研究とはそのような地道な活動に裏付けされたものがあってこその華やかしい成果が出せるものだと考えます。それを五感で経験できたことは海外探検隊でなければ出来なかったであろうし将来のための大きな糧となりました。その後は、台湾海洋大学で研究に励んでいたちほと康佑の2人とも活動を共にし、基隆の博物館のインターンシップと見学を行いました。それまでは場所や研究時間の違いということもあり、お互いに連絡を取り合うのが間接的なものでしたが、顔を合わせて話すことが出来ました。彼らもまた日本で体験できないようなことをたくさん行ったようで、滞在中の出来事や研究について時間のある際に話しました。また、博物館での見学でもGold Museumにおいて日本の統治時代の歴史を目で見て学び、海洋科技博物館では台湾の海洋文化と背景、現在に至るまでの道のりを案内役のKevinさんを通して学びました。特に文化の面では基隆にも海女の漁があることに大層驚きました。政策文化学科の先生にそれを専門とする方がいらっしゃるので、お話をお聞きしたいと思いました。このように振り返ればあっという間の台湾滞在でした。今回はその中でもリーダーとしての役割があり、メンバーの様子の把握やスケジュール管理、やるべき事の事前把握が挙げられました。そんな中でもメンバーが同学年ということで、お互いにそれを補い合えたことが私にとって何よりありがたく、改めてメンバーには感謝の気持ちでいっぱいです。そして無事に4人揃って帰国することが出来ました。この夏、台湾で学んだこと、感じたことがたくさんありました。研究への姿勢や彼らの優しさや人柄、物事への積極性です。それを今後にどう活かすかは自分次第ですが、私たちはどうすべきかを日報等を通して言葉にすることで明確にしていると思います。これで終わりではなく、今からが培った経験を活かす本番だということを頭に入れてこれからの日々を過ごしたいと考えます。研修先:台湾大学海洋政策文化学科2年リーダー 津田一樹