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概要

海外探検隊_7

今回、私たちはマレーシア国立サバ大学(UMS)で5日間研修を行い、そのうちの3日間は2人ずつ3つの研究室に分かれて研究活動をお手伝いさせていただき、残りの2日間は、昆虫の採集・標本づくりを行いました。研究室研修:マレーシア国立サバ大学 熱帯生物保全研究所Institute for Tropical Biology and Conservation(ITBC)21Dr. THOR SENG LIEW 研究室私たちは、Dr.Liewと助手のCorneliusさんの研究室に配属されました。Dr.Liewは、「land snail」つまり、カタツムリの研究を専門にしている方で、マレーシア・サバの豊かな自然の中、数多くの新種のカタツムリを発見されています。私たちは、10センチを超える巨大なカタツムリから、数ミリレベルの顕微鏡を使わないと見ることができない極小サイズや、珍しい殻の巻き方をしているものまで様々なカタツムリ(の殻)を見せていただきました。カタツムリというだけでもこんなにも種類があるのかと、生物の多様性を実感しました。私たちが、この研究室で行ったことは、カタツムリのDNAの抽出、そして、分析の初歩段階の作業です。DNAの研究では、DNAの抽出に1日、分析の初歩段階に1日といったようにとても長い時間がかかるため、私たちはその入り口部分を体験させて頂きました。そして、抽出した試料が、どう分析され、どのような結果が出て、そこから何が分かるのか、ということをDr.Liewご自身の研究を交えつつ教えていただきました。私は、学部1年生で、まだ日本の大学の研究室をも知らないまま海外の研究室を知り研究を体験できたことで、将来、自分がどこで何をどのように学んでいくのかを考える大きな糧となりました。(佐々木 大河)Dr. TAKASHI KAMADA 研究室私の配属された研究室は、サンプルから化合物を抽出し、分析を行う研究をしていました。対象となるサンプルは、ボルネオ島の生物多様な森から採集した果実や土壌内のバクテリア、海藻、軟サンゴに至るまで様々です。サンプルを一定時間溶媒に浸し、濾過をして、蒸発、分離させる作業を行い、抽出できたら機械で分析します。分析には分子構造を知るためのNMRや分子量を調べるLCMSを使用しました。海洋大での研究室への配属前に研究や機械操作を体験させていただき、貴重な経験となりました。この研究室の目的は、将来、治療薬などになる新たな化合物を発見することです。ボルネオ島には、未同定の生物や植物が多様に存在しています。そのような生物多様性に富む環境の中で研究活動が出来ることは羨ましく、新たな化合物を発見した際の喜びを、ぜひ自分も味わってみたくなりました。一連の作業工程は、研究室の学生たちが丁寧に教えてくださいました。私たちは抽出作業をするのも実験機器を使用するのも初めての体験でした。しかし、わからないことが多くても、その度に学生はとても優しく、親切に指導してくださいました。サバ大の学生との作業は3日間しかありませんでしたが、最後には遊びに行くほど仲良くなりました。彼らとの友情は、これからも大切にしていきたいです。また、この研究室の教授である鎌田先生には研究室研修だけでなく、生活の面でも大変お世話になりました。(佐藤 瑠奈)