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概要

海外探検隊_7

企業研修:ヤクルトYakultヤクルトプロジェクトは私たちの今回の3週間の研修の中でもシンガポール国立大学のプログラムに並ぶとても大きなプロジェクトでした。日本国内では老若男女問わずに愛されているヤクルトですが、その日本の商品及びサービスがどのようにシンガポールにて販売、流通しているかを5日間の研修を通して学びました。1日目は日本人社員の方から会社の概要をお聞きしました。ヤクルトシンガポールのみで販売しているフレーバー付きヤクルトは、この国の人々の「新しいもの好きで常に変化を求める」という特徴により大人気とのことです。2、3日目は1人1人がそれぞれ別のヤクルトレディの方につき、お客様の家への訪問販売やヤクルトレディのリクルート活動に同行しました。HDBと呼ばれる十数階ある大きな団地を上から順に、重いドリンクを持ちながら回ります。大変な作業ですが、ヤクルトレディの皆さんは明るく笑顔でお客様に接していました。このヤクルトレディの努力と働きが、ヤクルトシンガポールに大きく貢献しているのだと身をもって感じました。また、現地社員の方が「ヤクルトレディが私たちの顔であり、会社そのもののイメージになる」ということを教えてくださいました。目の前の売り上げだけではなく、会社のイメージを大切にするところにこの会社の真の強さを見ました。4日目は小売店への直販に同行しました。ヤクルトレディのときと同様、それぞれが別の社員さんと共にトラックでスーパーや飲食店、保育園などを回りました。日本の発注システムとは大きく違い、店頭にてその日何本仕入れるかを、その場で決めるというものでした。そのため店舗の方とのコミュニケーションが何よりも大切になります。直販スタッフがその店での売り上げ状況、人気のフレーバー等をヒアリングし、そして必要である場合はレイアウトの変更すら行うということに驚きました。お客様との距離の近さがこの国での成功の起因ではないかと思いました。最終日である5日目は工場見学及び保育園での広報活動に参加しました。私たちが訪問したときには工場の拡大工事中でしたが、通常運転時には毎日地元住民や企業に対して工場見学ツアーを実施し、多くの人にヤクルトの素晴らしさを知ってもらう工夫をしています。保育園ではヤクルトをもっと好きになってもらおうと、アニメやスライドを用いてヤクルトの良さをわかりやすく伝えていました。幼少時代に好きになってもらうことで末永くヤクルトを愛してもらえるという保育園での広報活動はあまり日本では聞かないため、とても新鮮で刺激を受けました。このヤクルトでの研修を通して、日本企業が海外展開することの難しさ、奥深さを学びました。日本で成功したやり方がそのまま海外で通用するとは限らず、その地の風土や国民の好みに合わせて変えていく必要があるということを知りました。また、「商品の良さも大切だが、ここの何よりの強みは人材、人の力だ」という言葉を現地社員の方から聞きました。社員の方の人柄の良さをいかに引き出し、継続させていくか、日本人社員の方による教育、コミュニケーションの取り方にすごく感銘を受けました。来年から社会人となる私はこのプラグラムで得た経験を活かしていきたいと思います。(内藤 颯太)16