ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

海外探検隊_6

私は、Benthic Ecology研究室で4日間の研修をさせていただきました。この研究室では海底の環境や生物について研究しています。研究に使う生物や海底の砂を手に入れるために、実際に船に乗ってサンプリングに行くこともあるそうです。私が、この研究室で最初に行わせていただいたのは「ソーティング」という作業です。「ソーティング」とは”分類する”という意味であり、必要でないものと、必要なものを分ける作業のことです。私はこの作業で、海底から採取した砂の中から、顕微鏡とピンセットを使って生物を探しました。そして、最終日に「ソーティング」で発見した生物をカメラを使って撮影し、体長や体幅を計測する作業を行いました。さらに、ここで計測した値を、いくつかの計算式を使って解析を行いました。「ソーティング」という作業は、集中力を必要とし、ずっと同じ作業を続けるには大変根気が要りますが、最終日に、自分の見つけた生物が、海底の環境を知る手掛かりになると知り、地道な作業を続けることの大切さを知りました。私は、来年からは大学で研究室での活動が始まるので、今回の研修は実践的で、研究生活を考える上で非常に役に立つ経験でした。(熊谷 卓也)私は、頼思博先生(Dr. Sebastien Lavoue)の魚類分類学・生物地理学研究室で研修を行わせていただきました。この研究室では、魚類の形態的な特徴やDNA解析などの分子的ツールを使って現在の魚類の地理的な分布を調べて推定しています。それによって、大陸移動などの歴史的な地理の出来事を説明することを目的としています。1日目に大溪漁港へ試料として使うイワシの採集に行きました。この漁港では台湾の海で朝獲れた魚介類を販売しているので、試料採集のために時々訪れるそうです。次の日から、実際にさまざまな装置を利用し、試料からDNAを取り出して分析を行いました。その後、ソフトを使って試料で用いた魚類の分子系統樹を作成し、それについて議論を行いました。この研修は、私にとって毎日新しいことばかりで本当に刺激的で充実していました。自分が海洋大で勉強していることはまだまだ初歩の段階ですが、実際に海外の研究者のもとで勉強することができ、日本にいては経験できない多くのことを得ました。1年生という早い段階で、最先端の研究活動を体験して実験の方法について細かく学ぶことができたのは、とても大きなことだと感じました。よくしていただいた国立台湾大学海洋研究所の教授や学生の方々、この活動を支えていただいた方々、このような貴重な機会をいただき本当にありがとうございました。(菊地 あさみ)プロジェクト:花蓮視察国立台湾大学海洋研究所での4日間の研修の後、国立台湾大学の先生方が企画してくださり1泊2日で花蓮市へ行きました。花蓮市では、研究で海洋深層水を扱っていらっしゃる先生の関係で、海洋深層水の科学館や石の博物館、立川漁業などの施設を巡ることができました。海洋深層水の施設では、海洋深層水を飲料水にする機械を遠目に見ることができましたが、とても立派なものでした。また、それだけではなく、太魯閣国立公園や七星潭の海岸に行き台湾の美しい自然を感じ、花蓮の夜市で国立台湾大学の皆さんと親睦を深めることもできました。七星潭の海岸は、空色の海と石の浜辺が本当に綺麗で、とても感動しました。この美しい自然を守れるよう、大学で学んでいきたいと思いました。(橋渡 夏衣)Benthic Ecology Lab (魏志? 先生)Fish Systematics and Biogeography Lab (頼思博 先生)19