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概要

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チュラロンコン大学海外探検隊のプログラムにおいて、一か月間、私たちはチュラロンコン大学の方々に生活面や私たちのための特別研修を用意していただくなど様々な面から協力していただきました。特別研修として、私たちはアイスクリーム作りと酪農家見学をさせていただきました。アイスクリーム作りでは、バターやミルク、卵などの材料を計り、混ぜ合わせることから始め、時間や温度をしっかりと確認して作っていきました。ただアイスクリームを作るだけでなく、アイスクリーム作りの各工程の意味や各材料の役割を教えていただきました。同じように材料を混ぜているだけにみえていても、時間や温度によってMixing、Homogenizingのように行っている理由が異なっていることや、バターはテクスチャーを良くし、黄身は乳化剤の役割をするなど、各工程、各材料それぞれが、とても重要であるということを改めて実感しました。酪農家見学では、28歳の酪農家の方のところに見学に行きました。現在、タイも日本も農業人口の高齢化が問題となっています。そのため、どのようにしたら若手農家を育てることができるかを考えるべく若手の農家の方を見学させていただきました。私たちが見学させていただいた酪農家の方は、2年ほど前までは酪農とは関係のない仕事(エンジニア)をされていました。しかし、現在は酪農家として各ウシの体重や搾乳状況の管理、農場の柵や土、搾乳前のウシの洗浄、搾乳したミルクの温度管理などに対してしっかりと知識があり、安全管理もされていました。さらに、収入も安定していて、農業者として成功していました。以前までは酪農とは全然関係のないことをやっていたのにも関わらず、設備や安全管理もしっかりと行えていてすごいなと思いました。また、私たちは日本の農業に対する制度についても調べました。日本には様々な団体からの支援がありました。国からは補助金があり、各地方自治体は農業体験を開催し、NPO法人は後継者のいない農家と新規就農希望者のマッチングサービスを行い、派遣会社などは農家でのインターンシップを行っていました。調べるとほかにも色々な制度があり、マッチングサービスも含めて、私が知らないだけでたくさんの制度があることを実感しました。私は、農業を始めること、続けることは、資金や知識が必要でとても大変なことだと思っていました。しかし、私は日本で行われている制度を上手く利用すれば、最低限の資金や知識を得られると感じました。おそらく、多くの若者が私と同様、様々な制度があることを知らず、農業は資金や知識が必要で大変なことだと思っていると思います。そこで、私たちは、見学させていただいた農家の方のような、若くして成功している農家の方々をロールモデルとして広め、農業に対して若者の興味をひき、そして、様々な制度の情報を得やすくすることで、より多くの若者が農業を始められるのではないかと考えました。特別研修は1日ずつしかありませんでしたが、多くのことを知り、考えることのできるとても良い経験になりました。(大塚 しおり)21フードプロジェクト