海外探検隊 Vol.25
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濱野紗良 滞在 2 日目にオリエンテーションとしてJETRO(日本貿易振興機構)ハノイ事務所を訪問しました。ここではベトナムの経済状況や日系企業の動向についてご説明をいただき、ベトナムに関する理解を深めるうえで非常に有意義な時間となりました。当初は事務所を訪問させていただく予定でしたが、その時期はベトナム建国 80 周年記念日の直前であり、記念パレードのリハーサルによる交通規制のため街中の移動が難しい状況でした。そのため、職員の方々のご配慮の元、急遽オンライン形式での実施となりました。 説明の中で特に印象的だったのは、日本企業がベトナムを今後の事業拡大先として強く注目しているという点です。国・地域別では米国・中国・EU に次いで 4 位に位置づけられており、ベトナムがいかに重要な市場となっているかを実感しました。投資環境として、安定した政治・社会情勢や市場規模に加え、人件費の低さ、従業員の雇いやすさや質の高さが評価される一方で、行政手続きや税務の非効率性、法制度の未整備や不透明さといった課題も残されていることを理解しました。 また、ベトナムは外国企業の受け入れを歓迎する一方で、国内産業の育成にも力を入れており、実際街中でもベトナム企業の手がける施設や車、公共サービスが多く見受けられました。さらには中国や韓国など他国企業からの投資や事業拡大も近年は増加しています。そのような状況の中で、日本企業が存在感を維持するためには、日本の強みである「品質」や「信頼」を基盤としつつ、他国との差別化を図る必要があると感じました。 さらに今回の研修は、国の経済成長と国民の自己意識との関連性について初めて考える機会とJETRO は貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することを目指して設立された公益法人です。70 カ所を超える海外事業所を有し、企業活動や通商政策に貢献しています。 食品を、香港・中国本土・世界各国へと販売しています。 JETRO の職員の方と撮った写真です。ベトナムの歴史や経済状況、ハノイ事務所の業務内容などについて丁寧に教えていただきました。 なりました。ベトナムは GDP 成長率が 2025 年現在で 8%に達しており、今後は 10%を超える成長を目指す方針を掲げているという、非常に目覚ましい経済発展を遂げている国です。職員の方から、ベトナムではこの急速な経済成長を背景に国民の自己肯定感が高い傾向にあるのではないかというお話を伺い、滞在中その視点を意識して過ごしてみました。するとすぐにその意味を理解することができ、活気ある街の雰囲気や人々の明るく前向きな姿勢から、自国の成長を誇りに思う気持ちが自然に表れているように感じました。経済発展が人々の心持ちにまで影響を及ぼすというのは、数字だけを見ているだけでは気づけない視点であり、現地に身を置いたからこそ実感できたことでした。 今回の研修を通じて、ベトナムの経済動向と日本との関係について理解を深めることができ、今後 1 か月間のベトナムでの生活をより有意義にするための視点を得られました。 6 オリエンテーション: JETRO

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