海外探検隊 Vol.25
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<食品生産科学科 3 年 天後日菜子> ことはできないので、その物質の性質や特徴に関する知識を身に着けることは重要だと学んだ。 また適切な pH にするための滴定も行った。これは、1 滴で pH が大きく変化してしまうため慎重な操作が必要だった。しかし隊の皆が適切な量で止められていたため、全員が実験の操作にどんどん慣れてきているように感じた。 昼食はカニのだしが入っているブンのお店に連れて行ってもらった。このカニは淡水に生息しているもので、中には豚肉をカリカリに揚げたものやベトナムのソーセージなど入っていてとても美味しかった。お店によって具材やスープの味がかなり違うので、色々なお店を巡るのはとても楽しく、さらなるお気に入りを見つけたい。 また今日は日本食が恋しくなったので皆で富分に行った。前回小松先生といった店より大きな店舗で店内はほとんど日本と同じだった。しめさばや納豆も売っていて日本を思い出した。会計の際に店員さんは日本語で対応してくれて驚いた。 またこの富分の周りには日本食料理屋さんがとても多く、ハッピーアワーをやっている居酒屋があり、つい入ってしまった。メニューも日本語で店員さんも日本語がペラペラ、お客さんも日本人でサラリーマン風の人が多く皆日本語で会話をしていて、ベトナムにいることを忘れてしまうような雰囲気であった。日本では外国料理の店に行っても店員さんがその国の言葉を話すことはほとんどないように感じる。富分や居酒屋でベトナムに駐在する多くの日本人の存在を感じ、お客さんはみな居心地がよさそうで憩いの場になっていることが分かった。以前 JETRO に伺った際に、多くの日本企業がベトナムで事業を展開したいと考えていると聞いた。その背景にはこのような日本人にとって居心地のよい環境が多く存在していることも関係していそうだと感じる。日本では人手不足もあり、多くの外国の方が働いている。そういった人たちにとって、母国語が通じるなどリラックスできる環境を作ることは長く日本にいてもらうために大切なのではないかと考える。 35 しを楽しんだ。ハノイ中心部では海外の方も非常に多く、ベトナムカラーの T シャツやシールで着飾り、非常ににぎわっていた。夕飯に入ったチキンフォーのお店では料理が運ばれてくるまでの間、店主の手際のよい丸々一匹の鶏の捌きに目が釘付けになってしまった。路上で調理、食事をするからこそ見れるものであり、これもベトナムの文化の面白いところの一つだと感じた。9時からは15分間花火が打ち上げられた。私は疲れがあったため、先に宿に帰っていたが、宿の中にいても聞こえるほど大きい音が鳴り響いていて日本とは違いド派手な花火大会だった。一日を通して様々な形で建国記念日をお祝いするべトナムの文化を感じた一日だった。80周年という節目の年に居合わせることができてよかった。 <海洋環境科学科 2年 篠宮祐二朗> <9月5日> VAST 研修 【本日のスケジュール】 10:00 研修開始 12:00 昼食 14:00 研修再開 16:00 研修終了 16:45 富分で買い物 17:30 夕食 【その日の学びと気づき】 本日の研修内容は carbohydrate の測定の実験を行った。本実験では green blue algae のスピルリナを用いた。初めに酸を加えて、100℃のお湯で温めることで細胞膜を破壊し、細胞内の成分を外に出した。この中の炭水化物を染色してその色の強さを特定の波長の光を当てることで測定した。今まで protein や chlorophyll の測定を行ったが、それぞれ細胞膜を破壊し、内容物を抽出する方法が違っていた。なぜなのか聞いてみると、これは測定したい物質を壊さずに細胞膜を破壊できる方法を実験ごとに選んでいるそうだ。Protein であれば酸に弱いため、今回の方法ではなく冷凍して細胞を壊すという方法を用いる。実験では適切な手法を選ばなければ正確に測定する

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