海外探検隊 Vol.25
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<海洋環境科学科 2年 篠宮祐二朗> ろったことでより一層雰囲気も明るくなった気がした。明日から再び体調管理には気を付けながら過ごしていきたい。 <8 月 28 日> VAST 研修 【本日のスケジュール】 10:00 VAST 到着・湖へ出発 10:30 湖到着・採集開始 12:00 ランチ(ブンチャ) 14:00 午後の研修開始 16:00 研修終了 【その日の学びと気づき】 午前、湖の藻類採集のため VAST 近くの湖へ行った。その湖の周長は 70km に及び、休日には多くのベトナム人がここでサイクリングやランニング・釣りなどをして楽しむそうだ。 また採集の際、上空では建国記念日に向けて戦闘機の練習飛行が行われていて、戦闘機はベトナム国旗を掲げながら大きな音を出して走行していた。その際それを見た先生方がかっこいいと、とても興奮気味で写真や動画を撮っている様子がとても印象的だった。 一方で私の地元・沖縄では米軍のオスプレイが日常的に飛び交い、上空を飛行する際には会話の声が全てかき消されるほどの騒音に包まれる。そのため、多くの住民はオスプレイの音を聞くと恐怖や不安を感じるのが現実だ。 同じ「軍用機」でありながら、憧れや称賛・恐怖や拒否感と、環境や立場の違いによって同じ光景がまったく異なるように見えることがとても不思議に感じた。 お昼は先生方に案内していただき、ブンチャを食べた。日本の焼き鳥のタレのような味付けでとても親しみを感じた。渡航前に日本のベトナムフェスで食べたブンチャとは全く味付けが異なり、むしろ現地の方が食べやすかった印象だ。 午後はラボに戻り、□微鏡を使って採集した湖の水から藻類を抽出し観察した。私は前日まで体調を崩していて遅れをとっていたため不安があったが、Dat さんが要所要所止まって丁寧に説明し32 成してしまい、培地として適していないためだと質問を通して分かった。午後からは用意した培地に微細藻類を入れ培養装置を作った。微細藻類を効率よく培養するために、バクテリアやウイルスの侵入を防ぐことにすごく慎重で気を付けていることが様々な点から感じられた。培養装置を作る作業はすべて、エアコンで温度が一定に調節してある部屋に靴を脱いで入り、UV ライトの滅菌装置の中で行う。手指はエタノールで消毒し、常にアルコールランプに火をつけた状態で、フラスコから溶液を移すときはフラスコの口を必ず熱し、滅菌状態を保ちながら行う。微細藻類の培養において目的以外のウイルスやバクテリアの細胞が一つでも入ってしまうと増殖してしまうため、細心の注意を払う必要がある。また、VAST では藻類研究室のほかにも様々な研究所があり、多様なバクテリアが存在することも、滅菌を徹底する理由の一つである。微細藻類と午前中に作った培地の溶液は3:7の割合で入れる。自分たちが作った新しい培養液はラボに以前から培養しているものに比べ、色が薄い。今後、微細藻類が成長して増殖していくことで色が濃くなっていく。その色の変化の観察が楽しみである。培養装置の作成において指導してくれた Dat さんは手慣れた手つきで行っていたが、実際に自分がやるときは滅菌装置の外にピペットやフラスコを出さないようにしたり、フラスコの口でなく下の方を持つようにしたりと微生物の侵入を防ぐために様々なことを意識しながら作業を行わないといけず大変だった。研究において基礎的なルールを徹底することの重要さを非常に感じた活動であった。微生物の侵入を防ぐという注意を払いながら実験を行うということは今日の活動を通して身につけることができたので今後の実験の授業に生かしていく。 今日のお昼はライスペーパーに豚肉、キュウリ・レタスの野菜、フォーの麺などを入れてくるくる巻いてソースにディップして食べる、Nem nuong Nha Trang という料理でほかのベトナム料理とは違った味で美味しかった。 SARA は大事をとってお昼に宿へ帰っていたが、夕飯は一緒に食べることができ、久しぶりに4人そろってご飯が食べることができた。4人そ

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