第 25 期海外探検隊を終えて 派遣先:Thailand/Vietnam/Singapore 第 25 期海外探検隊 担当教員 小松 俊明 第 25 期海外探検隊はアジア 3 カ国に学生 12 名(各国 4 名)を派遣した。海洋大で学ぶ様々な分野を網羅し、学際的な学びが実現するように特別な配慮をしているのが特徴だ。 ■オリエンテーション オリエンテーションには 2 つある。渡航前にオンラインで行うもの、そして到着後に実施するものである。前者では主な研修受け入れ先から現地での活動内容とスケジュールについてブリーフィングを受けた。後者では現地に到着直後数日の間に行うオリエンテーションであり、その目的は日本と当該国との関係、現地における日本企業の活動、日本人在住者の生活全般、そして現地の政治経済や文化などを学ぶことである。すべての国で日本貿易振興機構(JETRO)の現地事務所を訪問して、最新情報を入手することに努めた。加えてシンガポールでは日本文化の発信を行っているジャパンクリエイティブセンター(JCC)に訪問し、日本とシンガポールとの文化交流について学んだ。ベトナムではベトナム水産輸出加工協会に訪問し、ベトナムの水産業や日本とベトナムの水産業の繋がりについて学んだ。 ■インターンシップ 水産系の企業や業界団体、海洋研究所、水族館、大学・大学院等でインターンシップに参加した。研究室での活動や企業内インターンなど通して、学生達は近い将来の自分の姿を想像することができた。タイ沿岸部の大自然の中で、多くのフィールドワークを実施することができた。クンクラベンベイ王立研究開発センターやバンセーン水族館で実施した研修にも参加した。シンガポールのプライムアクアカルチャー社ではワクチン開発や魚病管理の仕事を学び、観賞魚養殖企業であるチェンフー社では観賞魚の国内外への出荷業務や物流業務について学んだ。シンガポール国立大学の熱帯海洋科学研究所では珊瑚礁研究や埋立地拡大で失われた珊瑚礁を復旧するための植林活動について学んだ。ベトナム科学技術アカデミーでは藻類研究について学び、ハノイ工科大学では食品研究(スターチ等)について学ぶ機会を得た。さらに、今回初めてパン粉製造の共栄フードのタイ工場を訪問する機会も得た。ユニークな経験を積んだ学生達は異文化環境で国際交流も楽しむこともできたはずだ。これらの経験を通じて、自らの将来の選択肢を広げることができたことを実感したはずである。 ■フィールドワーク タイでは沿岸部の調査活動、カヤックによる川下り、マングローブ林での植林活動や漁村への宿泊を経験した。ベトナムではハノイ北部の世界遺産(ニンビン)を視察した。シンガポールではセントジョンズ島を視察して珊瑚礁研究について学び、ウビン島の自然も満喫した。参加した学生、国内外の多くの研修受け入れ機関や保護者の理解と協力を得て、第 25 期派遣を迎えた本プログラムを無事終了することができた。この場を借りて深く感謝の意を表したい。
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