髙田 啓夏 海外探検隊起業家マインド育成プログラム/Entrepreneurship Online Program (EOP) (海洋生命科学部海洋政策文化学科 4 年) 学んだこと/自らの課題 今回プログラムを通じて、自ら発言することの重要性を改めて実感した。これまで私は、発言することに対して消極的な傾向があり、特にグループワークなどの場面においては、自分の考えを出すことを避けてきた。しかし、国際的な環境においては、そのような消極的姿勢では議論に参加することすら困難であり、自らの存在感を示すことができないことを痛感した。全体を通じて、ベトナム人学生たちの発言力や行動力に追随する姿勢をとってしまった。同年代でありながら、自分の考えを的確に言語化し、周囲に働きかけながら成果を生み出していく力を有しており、対して自分の未熟さを自覚する機会となった。自分たちの課題を挙げ指示を提示したり、環境が不十分だった際に代替案を示したりなど、適応と改善の繰り返しの姿勢を見習っていきたい。また、この経験を通じて、まずは母語である日本語において、課題解決に必要な思考力やプレゼンテーション能力を鍛える必要性を強く認識した。求められていることを正確に把握し、やるべきことを見極め、優先順位を明確にして行動する力は、どの言語であっても本質的に求められる力であると考える。土台となる力を日本語でしっかりと身につけたうえで、次の段階として他言語での発信力を高めていきたい。グループワークにおいては、個々が優れたアイデアを持っていたとしても、それらを共有し、方向性を一致させなければ成果につながらないことを学んだ。特に今回は、言語の違いが障壁となり、状況の共有や意図のすり合わせが不十分なまま進んでしまった結果、各々の提案が活かしきれるない場面が多く見られた。発言す ることがグループの一員として責任を果たすことであるということを改めて深く受け止めたい。グループとしての連携を高めるためにも、まずは情報共有の基盤づくりが不可欠であると痛感した。発言内容の質や結果とは別に、今回の経験によって「発言する」という行為そのものへの心理的ハードルを下げることができたのは、私にとって大きな前進であったと感じる。今回のプログラムでは、前提としての英語力不足がプログラム遂行の上での圧倒的不安要素であったと感じたため、今後は英語力を向上させた後、シンガポール派遣などを通じて継続的な実践につなげ、確かな成長へと結びつけていきたい。 ベトナム人学生の印象 日本人学生に比べて、ディスカッションやグループワークに場慣れしており、場の状況に応じた柔軟かつ的確な発言や対応ができる印象を受けた。それぞれが明確な意見を持ち、それらを言語化、およびプレゼンする力にも長けていたと感じる。国民性も相まって、プレゼン内容やスケジュールの変更が多々生じたが、それぞれ一貫した軸と経験があるためそれらに臆さずに対応できるのだと感じた。全体として論理的思考と協調性の両立ができている点が非常に印象深かった。 今後のアクション まず前提として根本の英語力の強化と英語で即座に発言する能力をつけていくために、英語でのインプットだけでなく、日常的に英語でのアウトプットを増やす訓練をしていきたい。日本語でのプレゼン力を高めるため、構成力や伝え方を意識した練習を重ね、説得力のある発言ができるようにしたい。学生の間に、グループワークやディスカッションの機会を積極的に活用し、発言をするという経験を積み重ねていきたい。 26
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