五十嵐琴里 XXXX 私たちはチャンタブリキャンパスでの 2 週間の生活を終えた後、9 月 1 日から 5 日までの 5日間、ブラパ大学バンセーンキャンパスの理学部で研修に参加しました。バンセーンはタイ人に人気のあるリゾート地であり、落ち着いた環境のチャンタブリと比較すると、より観光地らしいにぎわいがありました。キャンパス周辺にはビーチやショッピングモール、飲食店などが多く並び、生活にも便利で活気に満ちていました。研修では、海洋学や水産資源管理に関する講義やフィールドワークを通して、専門的な学びを深めることができました。研修の中で特に印象的だったのは、シーチャン島での活動です。シーチャン島は美しいビーチが広がり、タイ王室の離宮が置かれていた歴史的な背景を持ちます。 私たちは島にあるクラブ・バンク・ラーニングセンターと呼ばれる海洋資源の研究所を訪問し、カニやウミガメ、サンゴなど周辺海域の多様な海洋生物の資源回復についてお話を伺いました。ワタリガニの保全活動では、産卵前の雌のカニを漁業者から引き取り、孵化した幼生を海へ放流する取り組みが行われており、持続可能な資源管理には単なる保護活動だけでなく、地域社会との協力と長期的な視点が不可欠であることを実感しました。さらに、環境負荷要因とされてきた貝殻廃棄物を人口石材やサンゴ礁回復資材といった新たな資源へと転換する取り組みも印象的で、こうした ZeroWaste の発想が環境保全のみならず地域経済の活性化にもつながることを学びました。廃棄物から新たな価値を創出するという視点の切り替えは、普段の学びにおいても意識すべき姿勢だと強く感じました。 また、ブラパ大学理学部の付属高校では、タイの伝統的な楽器やダンス、遊びを通じて高バンセーンキャンパスにある理学部でも、海洋科学について学ぶことがタイを代表する国立大学であるブラパ大学の学部の一つ。バンセーンにキャンパスがある。附属高校の理数教育を理学部が支援している。 できます。実習や現場中心のマリンテクノロジー学部と比べると、理学部はより研究色が強いように感じました。 シーチャン島のランドマークである白い橋の上で、お世話になった教授と一緒に撮った写真 校生と交流を深めました。生徒たちは非常に優秀で、高校 1 年生が日本の高校 3 年生に相当する内容を学んでおり、教育の質の高さに感銘を受けました。さらに、タイの授業の進め方は教師が一方的に教えるのではなく、生徒が主体的に授業をつくり、教師がそれをサポートするという形で進められており、学生の能動的な学びを促す良い学習方法だと感じました。教師と学生の距離感も非常に近く、日本の高校と比較すると、よりフラットで双方向的な学習環境が築かれている印象を受けました。 ブラパ大学理学部での研修では、私たちの普段の学びにも直結する海洋資源管理の専門的な知識を深めるとともに、高校生との交流や教授とのコミュニケーションを通じてタイの宗教や文化について異文化理解を深めることができました。短い期間ではありましたが、多くの学びがあり、非常に有意義な経験となりました。 14 ブラパ大学 理学部・附属高校 ブラパ大学 理学部
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