海外探検隊 Vol.25
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東出泰治 25 期タイ隊は初めにバンコクに位置するJETRO で、タイがどういう国で何が問題であるかを様々な方面から学びました。日本では知りえないタイの実情を知ることで、いかに私たちが先入観をもっているかを実感することができました。 JETRO の説明の中で印象的であったのは、タイの車事情です。バンコクを歩いていると、日本車が多いように見えますが、BYD という中国のメーカーもよく見かけました。私が今の車事情に関して質問をすると、ピックアップトラックという荷台のついた車とハイブリッド車はシェアが 9 割を超えていると JETRO の方に教えていただきました。しかし、低価格の中国 EV の躍進により、日本車が全体で 9 割のシェアを占めていたのが今では 7 割まで減少していることから、車産業の転換期を迎えていることがよく分かりました。またピックアップトラックのメインユーザーは農家であり、裕福ではないことから、販売台数はそこまで稼げないことも分かりました。日本はガソリン車で今まで勝負をしてきましたが、これから EV へ転換するのかどうかが気になります。 そして、タイで問題となっていることについても知ることができました。その一つに農業があります。農業はタイの GDP の 9%を占めるのに対して就業人口は全体の 30%を占めるため、非効率的です。そのため、農家をより高次の産業 に 就 業 し て も ら う こ と が 解 決 策 で あ る とJETRO の説明にありました。しかし、この問題を解決するには教育格差の是正が必要だと私は思います。バンコクだと高校への進学率が 80%以上であるが、地方では中卒が最高学歴であるぐらいの格差があります。小卒や中卒では一次産業に就くしかなく、世代が変わっても格差はJETRO とは独立行政法人日本貿易振興機構の略で、日本の経済・社会の発展に貢献することを目的とする支援機関です。貿易・投資の促進や開発途上国に関する研究などを行っています。 JETRO 訪問の終了時に撮った写真です。写真を撮る前後に職員の方とお話しをしました。 変わりません。地方でも高校進学が当たり前になる制度が必要だと思いました。そして、地方が裕福になればピックアップトラックの売り上げも増加すると思います。だからこそ、一つの解決策として日本企業が地方の教育の支援に乗り出すのもよいと思います。 小学校から高校までの地理では、東南アジアと い う 地 域 を 漠 然 と 勉 強 し て き ま し た が 、JETRO 訪問ではタイという一つの国を勉強できて面白かったです。高齢化などの日本と共通する問題もある一方、地域格差が日本よりはるかに激しいという新しい問題も分かりました。ただの観光旅行であればただ楽しいだけで終わっていましたが、序盤にタイについて知ることでこれからのアクティビティが充実する予感がします。 12 オリエンテーション: JETRO JETRO

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