篠宮祐二朗 ベトナムの水産業について学ぶという目的のもと、ベトナム水産輸出機構協会(VASEP)を訪 問 し ま し た 。 最 初 に ベ ト ナ ム の 水 産 業 とVASEP の組織についてお話しして頂いた後、私たちが用意した質問に答えていただきました。 VASEP にはベトナムの 300 以上の水産関連企業が加盟し、VASEP 加盟企業の水産物輸出は国全体の水産輸出売り上げの 80%以上を占めており、VASEP はベトナム水産業の中心的存在となっています。VASEP では国内外の水産情報の発信や水産イベントの開催や交渉による新たな市場の拡大などを行うことを通して加盟企業を支え、ベトナム水産業の発展を担っています。 VASEP ホームページでは常に最新のニュースが更新されていることや、水産業の製品や技術、サービスを出展する展覧会 VIETFISH が世界中から約3万人が来場するほどの規模で開催されていることからも VASEP の活動の活発さが感じられました。ベトナムの水産業については資源の枯渇を防ぎ持続可能な水産業を可能にするという観点から、漁業に対して養殖業の割合が大きくなっています。そのため輸出製品の中心はエビやパンガシウスであり、その他にもマグロや貝類、頭足類まで幅広い種類の水産物を扱っています。ベトナム水産業輸出額はコロナウイルスの影響で落ち込んだ年を除くと常に右肩上がりで成長を続けており、VASEP の活動は政府によるサポートも受けていることからもベトナムにおいて水産業が国内の重要な産業の一つであることが分かります。アメリカ、中国、EU、日本、韓国の他にも近年エジプトやリトアニアへの輸出も始めており、市場を拡大し続けています。今回の訪問を通して VASEP の方が自国の水産業についてすごく自信を持っているこベトナム水産輸出加工協会(VASEP)は、ベトナムの水産物の競争力を強化し、ベトナムの漁業の発展を目指す非政府組織です。生産者から輸出業者、サービス企業などの広い分野のメンバーで構成されています。 研修後に撮った写真です。対応して頂いた2名とも女性であり、ベトナム社会の女性進出が進んでいることを実感しました。 とが印象に残りました。私たちはアメリカの高い関税やエクアドルやインドとの輸出競争がある中でどのように対応していくのかという質問をしました。それに対し、ベトナムの水産物は日本などの検査基準が高い国へ輸出を続けていることが証明するように高い安全性を持つとともに、様々な種類の優れた付加価値加工技術を持っているため、ベトナムの水産物は世界から常に需要がある存在であると強く仰っていました。このような前向きな回答からも成長を続けるベトナム水産業の勢いを感じました。 2 時間という短い時間でしたが、海外で成長を続けるベトナム水産業の方と英語で討論する貴重な機会でした。英語での正確なコミュニケーションや相手の話す内容を理解しながら話が活性化するような質問をはさむことの難しさを感じました。お互いにとって有意義な時間をつくるためにも重要なことであり、今後の学生生活を通して改善していきたいと思いました。 9 ベトナム水産輸出加工協会
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