海外探検隊 Vol.24
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田村柚季 JETRO では、日本人職員の方からベトナムの経済や政治、歴史などについて詳しく教えていただきました。民族や宗教、政治体制といったベトナムという国の基礎知識についても広く学び、ベトナムの独自性や将来性、日本との違いについて理解を深めることができました。 ベトナムには 1 万 7410 人もの在日邦人、2000 を超える日系企業が進出しているうえ、日本にも 60 万人もの在日ベトナム人が滞在しています。在日ベトナム人は増加傾向にあり、少子高齢化が進む日本にとって重要な存在になることが予想されます。在ベトナム日系企業の56.1%が事業拡大の方針を示しており、今後も経済的な結びつきが強まると考えられます。 ベトナムのビジネス環境には、市場規模や成長性、安定した政治・経済情勢といったメリットがあるものの、行政手続きの煩雑さや法制度の未整備・不透明な運用といったリスクもあります。海外からの直接投資は、韓国、シンガポール、日本、中国などから、製造業、不動産、インフラの大型案件を中心に堅調であり、認可額・認可件数共に増加傾向にあります。かつて日本からの投資は、製造業が大半を占めていましたが、2024 年には小売・卸売、コンサルといった非製造業の比率が高まっています。日本からの出資・株式購入は増加傾向にあり、今後も日本を含め諸外国との経済的な繋がりの多様化が進むことが予想されます。 このようなベトナムへの直接投資の増加を踏まえ、JETRO のハノイ事務所ではベトナムのマクロ経済、規制情報、日系企業動向についての情報を発信したり、貿易・投資の相談を受け付けたりといった取り組みを行っています。 ハノイでの滞在の中で、日本の製品やアニメ、漫画、食事がベトナムに広く流通していることJETRO は貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することを目指して設立された公益法人です。70 カ所を超える海外事業所を有し、企業活動や通商政策に貢献しています。 食品を、香港・中国本土・世界各国へと販売しています。 JETRO の職員の方と撮った写真です。ベトナムの歴史や経済状況、ハノイ事務所の業務内容などについて丁寧に教えていただきました。 を実感しました。アニメ文化や和食は人気が高く、日本の飲食チェーン店やコンビニエンスストア、スーパーマーケットも多く見かけました。「将来日本に行くことが夢だ」と話す人や簡単な日本語を知っている人も多く、日本の製品や文化、ひいては日本という国自体がベトナムに広く受け入れられていることを体感しました。 こういった日本文化の浸透は、日系企業の直接投資の増加によってベトナムに日本製品が普及し、かつその品質が優れていたことが要因であると考えます。今後も投資規模の拡大に伴い、日本の製品や文化はさらに定着するでしょう。 JETRO でのブリーフィングを通して、異文化の浸透には、経済的な結びつきが重要な要因であると学び、海外の投資環境や自由貿易協定などに興味を持つきっかけとなりました。経済や投資の面からの日越関係について、今後の動向に注目していきたいと思います。 6 オリエンテーション: JETRO

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