Marina South Pier から船に乗るまでの様子 サンゴの水槽は回転式になっており、中国の伝統的な回転式テーブル(円卓)から着想を得たものだという。先生は「私たちは DIY もする」と笑いながら話していたが、研究者は学術的な知識だけでなく、試行錯誤を繰り返しながら研究環境そのものを作り上げているのだと実感した。 施設内を案内してもらう中で特に驚いたのは、研究者の約 5〜6 割が女 性 だ っ た こ とだ。この光景を目の当たりにし、日本の女性研究者の割合が 2023 年のデータで約1.8 割と依然として低いことを改めて実感した。後に調べたところ、シンガポールでは性別に関係なく実力を重視する採用・評価制度が確立されており、その結果として女性研究者が多く活躍する環境が整っていることが分かった。さらに、柔軟な勤務制度や充実した出産・育児支援が整備されており、ライフステージの変化に左右されることなく研究を続けられる環境もある。また、シンガポールが多文化共生の社会であることも、多様な視点が評価されやすく、個々の能力が発揮しやすい要因になっているのではないかと感じた。 今回の訪問を通して、もし研究の場を自由に選べるならば、シンガポールのような環境を選びたいと強く思った。性別にかかわらず実力が正当に評価され、ライフステージの変化にも柔軟に対応できる制度が整っているため、長期的に研究に専念することが可能だ。また、異なる背景を持つ研究者が集まることで、多様な視点が交わり、新たなアイデアが生まれやすくなるのではないかとも感じた。 46 の 土 台 と し て 活 用 する 試 み も 進 め ら れ ており、新しい発想を取り 入 れ な が ら 研 究 が展 開 さ れ て い る 点 が印象的だった。 <海洋環境科学科 2 年 峯村未有> 学生もいた。海洋大学の様子を思い浮かべると、一度できたコミュニティが外部の人と交流を持たないことが多い。そのため、NUS の学生が多国籍な環境に慣れていることもあるだろうが、それ以上に、相手の背景に関係なく分け隔てなく接する姿勢は、日本ではあまり見られない光景であり、非常に印象的だった。今回の Sisters’ Islands 訪問を通じて、NUS の学生が広い視野と寛容な価値観を持っていることが伝わってきた。これらの要素こそが、この大学がアジア 1 位と言われる所以なのだと感じた。 <海洋環境科学科1年 杉浦拓門> <3 月 14 日> NUS 【本日のスケジュール】 08:45 Marine Park Outreach and Education Centre 訪問 10:30 St John’s Island National Marine Laboratory 訪問 11:30 島内散策 12:30 船にて本島へ移動 14:00 データ入力 【その日の学びと気づき】 本日はセントジョンズ島にある NUS の研究施設を訪問した。 研究所では、サンゴの培養にレゴブロックが使用されており、使えるものを最大限活用する姿勢に感心した。研究の柔軟性と独創性が感じられ、非常に興味深かった。また、卵の殻をサンゴ培養
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