海外探検隊 Vol.24
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麻酔が効き始めている魚 養殖場 ことも必要だと感じた。 4. コミュニケーションの大切さ 作業をスムーズに進めるためには、単に技術や知識だけでなく周囲との良好な関係を築くことも不可欠だと感じた。宮田先生は、養殖場やオフィス内ですれ違う人全員に挨拶や合図をしていた。こうした積み重ねが信頼関係を生み、チームの成果を上げる基盤になるのではないかと考えた。 5. 楽しみを見つける 宮田先生は寒天培地を作る際に「ここには職人的な楽しさもある」と話していたり、養殖場の犬を楽しみにしていたりと日々の仕事の中に楽しみを見つけるのが上手だと思った。目の前の作業を単なるルーティーンとして捉えず、その中に楽しさや工夫を見つけることで、より前向きに取り組めるのではないかと考えた。 <海洋環境科学科 2 年 峯村未有> <3 月 8 日> ホームステイ 【本日のスケジュール】 11:00 ホテルロビーにてホストファミリーの マイケルさんと合流 11:30 Kallang basin area にて Waterways Watch Society の方とお話 17:30 南洋理工大学を見学 18:30 SSC の脱出ゲームに参加 22:00 Changi 付近で磯観察 【その日の学びと気づき】 教育の意義と未来への教訓 ホストファミリーのマイケルさんと過ごした時間は、私にとって教育について深く考える機会となった。彼やその知人との交流を通じて自分が抱いてきていたものとは異なる教育観を見出し、人生の教訓を得る貴重な経験となった。彼と過ごす時間のなかで最初に教育についての話を聞いたのは Waterways Watch Society という団体の代表者と会話した際であった。この団体は主に水域の保護活動をはじめとした水に関わる様々な活動を行っているのだが、その中でも最も優先すべきはシンガポールの水資源に関する知識と教養、つまり“教育”だという。というのも、シンガポールは資源のない国である一方で、多くの国民がどうやって水が供給されているのかを知らないという。そのため、国民が自国の資源について正しい知識と知見を得ることが国家の発展のために重要なのだと語った。 この話に続き、マイケルさんからも教育についての考えを聞いた。彼が語ったことは大きく二つあった。一つ目はネパールの村での教育支援の話である。彼は登山が趣味であり、その縁で過去三年間、ネパールの山村で教育支援活動を行っていたという。世界では十分な教育が受けられていない子供たちが多くいることは理解しているつもりだったが、その状況に直接的にコミットしている人に出会うのは初めてだったためこの話は自分にとって非常に印象深いものであった。当初、彼は教育者の立場から支援活動を行っているものだと思っていた。彼の行動原理について尋ねたところ、「自分にできることなのだから自分がやる」というシンプルな答えが返ってきた。自分がこの 19 年で出会ってきた多くの人々が考えるだけで行動しないなか、彼は即座に行動に移していた。 次に、彼に“教育のもつ力”について尋ねた。彼の考えは、シンガポール建国の父であるリー・クアンユーと同様のものであった。それは、「資源のな43

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