海外探検隊 Vol.24
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<食品生産科学科1年 棟朝遥香> ものの見方を身につけていきたいと私は思う。そうすれば自ずと異なる文脈の人との会話をうまく、楽しくできるようになると思っている。 私の将来の夢は国際的に活躍する食品科学の研究者になることだ。ベトナムでは活躍する女性研究者の姿を多くみることができた。また数多くの観光地に行ったがその中でも特に印象的だったのはベトナム女性博物館だ。日本では偉人のほとんどが男性で教科書でも博物館でも男性を見る機会が多かったが、ベトナム女性博物館ではベトナム史における女性の活躍や偉人が紹介されていて嬉しかった。そのような女性の活躍をみて、自分もそんなふうになりたいと思った。 32 最後の一週間、急になにかがつかめたような感覚があった。外から見ればおそらくそんなに変化はなかったかもしれないが、コミュニケーションとは何なのかという本質を実感を伴って理解できたのだと思う。自分の言いたいことを言うときに相手が聞く姿勢になるのを待つこと、複数人で会話するときは特に適切なタイミングで短くリアクションをすると盛り上がること、英語は長々と言えばいいのではなく短く適切な文で伝えること。理解しているつもりだったが、実践できるようになったのは最後の一週間だった。 現地の人との会話を素直に楽しめるようになって、これまでなぜ英語が通じなかったのかを冷静に振り返ることができた。海洋大の親友が東南アジア出身で、彼女が「日本人の会話はハイコンテクスト」だと言っていたことを思い出した。その意味は、日本人はほぼ単一民族なのですでに共有された文脈があるため、会話の際に一から説明する必要がないということだ。対して今回のベトナムでは、私たち日本人と現地のベトナム人とでは生活、文化、慣習、産業あらゆる観点で異なる文脈を持っているので、わかっているつもりで会話すると文脈の違いのせいで何も通じない。英語力というよりも相手の環境への理解が必要だった。ただ会話すれば良いのではなく、まず互いに共通の文脈を作らなければならない。 JETRO の方が、貿易について考える際に、日本とアメリカのように二次元で考えるだけでなく、その中にベトナムの関係性も入れて考えてみたら一気に物事の捉え方が三次元になるとおっしゃっていたのを思い出した。また最後の個人面談のときに小松先生が「海外にいくことで外から日本のことを見つめ直すことができる」とおっしゃっていたのもおそらく三次元的なものの見方の一種だと思う。三次元的なものの見方を持つと言うことは、他者の視点をもつこと、いろんな分野からの考え方を知ることだと私は捉えている。そのような三次元的なものの見方を持つことは、異なる文脈を持つ人同士の会話を作っていく上で必要なのではないかと気付いた。 この気づきから、食品科学だけでない多くの分野からの学びや留学などの経験から、三次元的な

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