<3 月 31 日> 帰国 1か月の振り返り 【本日のスケジュール】 05:00 -06:00 ホステルから空港へ移動 08:00 -16:00 ハノイ→東京 【その日の学びと気づき】 最終日なのでこれまでの 41 日間を振り返りたい。一言で振り返ると、思っていたよりも全くうまくいかないことの連続だった。もともと私はESS やグローバルコモンである程度英語の勉強をしていたので、コミュニケーションはなんとかなるのではないかと過信していた。しかし VASEP でも、VAST でも、HUST でも全然会話を成り立たせることができなかった。頑張って考えた質問が通じず、現地の人とメンバーが楽しく会話しているところに入れず、と毎日落ち込む出来事の連続だった。 ある日、自分からうまく会話できないなら、自分からすべて会話を始めようとするのではなく、現地の人とメンバーが盛り上がっているところに積極的に参加すればうまくコミュニケーションできるようになるのではないかと考えた。 31 と、クオン先生は日本のお茶漬けに対して同じ感情を抱いているようだった。日本人にとってお茶漬けは普通の食文化であっても、クオン先生にとってお茶は飲み物で、食べ物としては考え難い文化だそうだ。どうしてご飯に飲み物のお茶をかけるのか聞かれたけれど、自然に身についている日本の食文化に理由をつけるのは難しく、文化の根強さを感じた。 ランチ・ショッピングを終えて研究室に戻った後は、研究室で久しぶりに Nhi に会うことができた。彼女は一週間以上体調が優れない様子で研究室に顔を出すことが難しく、他の学生を中心に私たちの実験手順を進めてもらっていた。このまま会えないで HUST での研修が終わってしまうのかと寂しく思っていたところなので、少しの時間でも会えて嬉しかった。 また、私たちが犬肉料理に挑戦したことを Nhiも含めて多くの学生が知っており、味の感想を楽しみにしているようだった。個人的には犬肉に臭みは全くなく、脂身の多い鴨肉のようなもので非常に美味しかったことを伝えたところ、「本当に!?」「君たちは勇敢だよ!?」と驚かれた。その反応からして、犬肉はベトナム北部名物とされているけれど実際に食べる人は少ないのだろうと推測している。そこから話題は広がり、私は学生から鯨の肉を食べたことがあるかと聞かれた。私は魚屋でアルバイトをしていた経験があり、幸運にも生の鯨の肉を食べたことがあった。(日常で口にできる鯨の肉は大半が冷凍ものであり非常に珍しい)それを聞いてベトナムの学生たちは唖然としていたが、日本人にとって鯨の肉を食べるというのはそこまで驚く話ではない。その反応の違いについて軽く考察してみたが、日本には魚を生で食べる刺身という文化が色濃く、鯨の肉もその延長線上に感じられるということが大きな違いではないだろうか。日本人にとって鯨はやや“珍しい海産物”という認識であるのに対し、ベトナム人にとって鯨は犬と同じ“哺乳類”という認識が強いのかもしれないと結論付けている。 <海洋政策文化学科2年 岩村葉月> 犬のレバーと血で作られた ソーセージはやや苦い。
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