第 24 期海外探検隊 担当教員 小松 俊明/2025 年 4 月 第 24 期海外探検隊はアジア 3 カ国に学生 14 名(各国 4-6 名)を派遣した。海洋大で学ぶ様々な分野を網羅し、学際的な学びが実現するように特別な配慮をしているのが特徴だ。 ■オリエンテーション 出国直前にオンラインで各国を結び、現地で行う研修内容を紹介してもらう機会を得た。実際に現地でのプログラムが始まると、最初に訪問したのは日本貿易振興機構(JETRO)である。ここでは訪問した国の政治経済、現地の人々の生活や文化、そして日本人社会の状況など、幅広く全体像を把握することに努めた。加えてシンガポールでは在シンガポール日本国大使館ジャパンクリエイティブセンター(JCC)を訪問し、当該機関が日本文化の発信において果たす文化的・外交的役割ついて学んだ。JCC が主催する JAXA の宇宙開発に関する講演会に参加する機会があり、シンガポールの VIP や日本の各省庁から在外大使館に出向している官僚の方々との交流をすることができた。 ■インターンシップ 水産系の企業や業界団体、海洋研究所、水族館、そして大学・大学院等で各 1 週間から 2 週間程度のインターンシップに参加した。全ての訪問先に共通するのは、参加する学生にとって「先取り教育」である点だ。近い将来経験する可能性がある研究室での活動や企業内インターンなど通して、学生達は近い将来の自分の姿を想像することができた。タイでは自然豊かなタイ沿岸部のフィールドワークに数多く参加した。クンクラベンベイ王立研究開発センターはバンセーン水族館の研修にも参加した。シンガポールでは食用魚養殖企業でワクチン開発、そして観賞魚養殖企業では出荷業務や物流業務について学んだ。シンガポール国立大学の熱帯海洋科学研究所では、多様な珊瑚礁の生態や埋立地拡大で失われた珊瑚礁を復旧するための植林活動について学んだ。ベトナムでは国内水産業を支える水産加工輸出協会の取り組みについて学んだ。ベトナムの漁業や水産加工業について詳しく学ぶこともできた。ベトナム科学技術アカデミーでは藻類について、ハノイ工科大学では食品テクノロジー(スターチ等)について詳しく学ぶ機会を得た。 ■フィールドワーク タイでは沿岸部の調査活動、カヤックによる川下り、マングローブ林での植林活動や漁村への宿泊を経験した。ベトナムではハノイ北部を訪問し、世界遺産であるハロン湾をはじめ、工場訪問も経験した。シンガポールでは珊瑚礁研究の最前線であるセントジョンズ島を訪問した。座学とは異なる数々のフィールドワークは、まさに「百聞は一見に如かず」の連続であった。 参加した学生、支える保護者、そして国内外の多くの関係者の方々の協力を得て、本プログラムを無事終了することができた。この場を借りて深い感謝の意を表したい。 第 24 期海外探検隊を終えて 派遣先: Thailand/Vietnam/Singapore
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