海外探検隊 Vol.24
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峯村未有 日本貿易振興機構(JETRO)は世界 70 ヶ所以上の海外事務所と国民拠点を有する独立行政法人です。ジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)は、シンガポール大使館における広報文化活動を担っています。 JETRO を訪問した際に撮った写真です。 割を担っています。今回の訪問では、シンガポールの政治制度や教育制度、社会の多様性についても詳しくお話を伺いました。興味深かったのは、政治と国民の距離の近さです。シンガポールでは地域ごとに担当の国会議員が配置され、住民が直接意見を伝える機会があるとのことでした。また、SNS を通じて政治家に直接メッセージを送れるなど、国民の声が届きやすい仕組みが整っており、政治がより身近な存在になっていると感じました。こうした仕組みがあることで、市民は政治に関心を持ちやすくなり、自分の意見が社会に反映される実感を得られるのだと思います。日本では、政治に対する関心がどうしても低くなりがちですが、こうした取り組みは政治を自分ごととして考えるきっかけになると思います。国民と政治の距離を縮める工夫として、日本でも応用できる部分があるのではないかと考えさせられました。20 研修のオリエンテーションとして日本貿易振興機構(JETRO)とジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)を訪問しました。これらの施設では、日本とシンガポールの経済的・文化的なつながりについて多角的に学ぶことができ、今後の研修への理解を深める上でも非常に有意義な時間となりました。 JETRO は、日本企業の貿易拡大・海外拠点作りを支援・促進し、海外企業の日本への直接投資を総合的に進める機関です。私たちは、シンガポールの経済状況や、シンガポールにおける日本企業の事業活動についてお話を伺いました。なかでも印象的だったのは、シンガポールが多様な分野で革新的なスタートアップ企業を受け入れ、経済の多角化と成長を図っている点です。紹介された企業の中には、細胞培養肉を開発しているフードテック企業や、蚕由来の成分を活用した機能性食品を製造しているバイオ系スタートアップなど、ユニークな取り組みを行なっているものがありました。こうした新興企業が注目され、活躍している背景には、シンガポール社会全体が新技術や新ビジネスに対して高い関心を持ち、変化や挑戦に対して前向きな風潮であることがうかがえます。シンガポールが積極的に新しい技術を取り入れ、高付加価値の創出を目指す姿勢は、現代の国際競争を勝ち抜くために不可欠な要素であり、また、リスクを重視しがちな日本が見習うべき姿勢だと強く感じました。日本にも本来、独自の技術やアイデアは多く存在しているからこそ、それを支え伸ばす柔軟な姿勢が求められていると感じます。 JCC は、在シンガポール日本国大使館の施設で、日本文化に関する展示やイベントを定期的に開催し、シンガポール市民との文化的な交流を通じて、日本に対する理解と関心を高める役オリエンテーション: JETRO/JCC

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