瀬戸敬太 Ban Nam Chiao でのホームステイの体験は、私たち日本人との文化の違いや価値観の違いについて学ぶと同時に、日本にはない魅力を感じることができました。そう感じた体験の1つにナマコの採集体験があります。ナマコは深さ 1メートルほどの砂地に生息しており、それを裸足の感覚で探します。もちろん、日本では漁業法によって、ナマコの採捕は規制されていますし、ナマコを採る体験はそうそう出来るものではないので、貴重な体験をすることができました。採ったナマコは船の上で調理し、生で食べさせてもらうことができました。味にクセがなく、食感はコリコリしてイカや貝に似ており、味もとてもおいしく、料理への汎用性が高いと感じました。タイの人は、日本人がさまざまな料理に醤油をかける感覚で、肉料理・魚料理問わず、チリソースにつけて食べる習慣があり、ナマコにもチリソースがついてきました。実際つけて食べてみて、チリソースで食べてもマッチすると思いましたが、個人的には、醤油とわさびで食べた方が美味しいと感じました。味覚一つとっても、日本人とタイ人の味覚は全く違うので、とても興味深かったです。 また、町の集落の中にあるモスクに入ることができました。私自身、モスクの中に入ったことは初めてでした。イスラム教は偶像崇拝が禁止されているので、像や絵画などが無く、中はとてもシンプルでした。ただ、照明には、シャンデリアが使われていたり、凝った装飾がなされていたりするなど、荘厳な雰囲気を感じることができました。 食文化の違いも、肌で感じることができました。興味深かったことは、夜ご飯を食べた際、一緒に同行してもらった学生に肉か魚介かどちらが好きかと聞いた際、4 人とも魚介が好きだとBan Nam Chiao はトラート市内のカンボジアの国境付近にある町です。そこは川に面した町であり、イスラム教徒と仏教徒が混在する街であり、手製の工芸品や漁業が盛んな村です。 海に入りナマコを探している様子と、捌きたてのナマコの写真です。 答えたことです。トラートやチャンタブリは海に面しており水産資源が豊富であり、レストランのメニューも水産物を使ったメニューが多いです。しかもどれもその素材を活かした調理方法で調理がなされています。さらに、イスラム教徒は宗教的な観点から豚を食べられないこともあり、実際にホームステイ先で出された料理も、肉料理は無く、全て海鮮料理でした。日本は食の欧米化が進み、肉が好きな人が圧倒的に多いですが、それは日本での実状であり、少なくともタイでは水産物の需要の高さを窺い知ることができました。世界でみると水産物需要が上がっていると言う話は、大学の講義でも何度も学んできましたが、にわかには信じられていなかった自分がいました。しかし、実際に現地の交流や活動を通して水産物が持続可能性や栄養的観点、宗教的観点から非常に重要視されていることを実感することができました。 17 Ban Nam Chiao
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