海外探検隊 Vol.24
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齊藤丈治 バンセーン水族館・海洋科学博物館で私たちは二日間かけてたくさんの展示、水槽の見学と体験をしました。初日、危険な海水魚(フグやウツボ、ミノカサゴなど)や GT(ジャイアントトレバリー*ロウニンアジ)に餌をやり、クラゲの幼体からの育成過程、餌の管理方法、濾過槽の説明を受けました。日本のタッチプールや餌やり体験では出会うことのない生態に餌をあげれたことはいい体験になりました。またクラゲの生態獲得、展示の面で日本の新江ノ島水族館が関わっていると聞き、自分の地元の水族館がタイにまで影響を与えていることを誇らしく感じました。また水族館の設計や資金援助までいろいろな観点で日本と関わりの強い水族館でした。日本のように銀色の地味な魚はほぼいなく、熱帯のカラフルで派手な魚が多く気候区分の違いを感じました。 二日目は博物館に行き、アクティビティに参加しました。タイに生息する生物の標本や生体の説明、タイの漁、養殖の方法や芸術学部とのコラボブースなどを見学しました。展示には日本にも生息している種と見たこともないような種が入り混じっていて海のつながりを感じるとともに何の隔たりもない海なのに生息する生物に違いがあったり、広範囲に生息できる生物がいたり海の不思議に少し触れられた気がしました。 見学の後、子供用のアクティビティに参加しました。海藻を使ったアートや粘土での工作、石灰で作られたマグネットに色を塗る体験など様々な体験ができました。班員が作った粘土のお寿司をおいしそうといってくれるタイの方々が多く、日本食としてお寿司の認知度の高さと鮮魚や生エビを食べる文化があるため抵抗があまりないのかなと感じました。大学近くのマーอควาเรียมบางแสน ブラパ大学内に付設された水族館。タイの海域に住む様々な海洋生物が展示されている。海洋科学博物館と併設。 研究所の方とトンネル型の水槽で撮った写真です。 ケットに行くとお寿司を取り扱っている店があり想像より身近なのだと感じました。そのような文化輸入を含め私がタイの水族館、博物館の展示、説明を受け感じたことは、タイとの距離は想像より近いということです。私がスキューバダイビングを石垣島でしかやったことがないことも関係しますが、想像より生息している生態も似ていて、サンゴの白化減少など同じような問題も起きていました。海や自然を大切にして深い関わりを今でも保っているという点でもとても似ています。島国ではないですが生息している生物もとても大切にしていました。そして国王が生態系に対して興味を持っているという点でも共通しています。日本の天皇が関わっていた話、タイのキングが研究室や畑を訪れてくれたことなどは逸話のようにボードに絵とともに飾られていました。 16 バンセーン水族館

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