海外探検隊 Vol.19
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清水良明 私たちは、男女に分かれてイスラム教のお宅でホームステイをさせていただきました。私にとってこれが初めてのホームステイであったことに加え、ムスリムの方とお話しするのも初めてであったため、会う前はとても緊張しました。しかし、ホストファミリーが私たちを温かく迎え入れてくださり、すぐに緊張がほぐれました。 私たちは、ホームステイ中に数々の初めての体験をさせていただきました。 1つ目は、ドリアンを食べたことです。ドリアンは街の至る所で売られていましたが、その強い匂いから私は食べたいとは思いませんでした。しかし、ホストファザーに強く勧められ2種類のドリアンを食べました。そのうちの一方(猫山王)は少し苦みがありつつも甘く、とてもクリーミーであり、想像していたものよりはるかにおいしかったです。ホストファミリーの子供の3人のうち2人は嫌いということで、万人受けはしないが多くの人から熱烈に好まれているという、日本にはない不思議な立ち位置のフルーツだと感じ、面白いなと思いました。 2つ目は、ホストファザー手製のシンガポールの伝統料理を手で食べたことです。シンガポールの伝統料理は、二枚貝や巻貝、エビ、タコをチリベースのソースで煮たものです。これをバナナの葉を敷いたテーブルの中央に乗せ、右手を使って食べました。お米は日本のものとは違いパラパラであり、手で食べるのは難しかったです。ホストファミリーの食べ方を真似して、お米を軽く押さえつけて口に運ぶと食べやすいと分かりました。 3つ目は、シーカヤックをしたことです。シーカヤックは、風の影響を強く受けるので、まっすぐ前に進むことさえ難しかったです。さらに波によって船体が煽られ、バランスを取ることも難しかったです。また2人乗りのカヤックであったため、軌道修正しようと2人で同じサイドを漕ぐと、思ったよりも船が回転してしまうことに気づき、力を調節し合うことによって、最後の方になってやっとまっすぐ進めるようになりました。また途中で浜辺に寄り、ジョンという遊びをしました。ジョンとは小型の帆船のことで、風と波を読みまっすぐ船を進めるというものです。実にシンプルな遊びでしたが、奥が深く、試行錯誤の末、船が波に乗った時には達成感がありました。 別れ際に、ホストファミリーの末っ子からイスラム教の伝統的な挨拶をしてもらいました。 この挨拶は、向かい合って手を繋ぎ、年下の人が繋いだ手の甲をおでこに付けるというものです。いつも家族で交わす挨拶を、私たちにしてくれた時は、家族の一員になれたような気がしました。 9 2泊3日でマレー系のムスリムのお宅にホームステイをさせていただきました。 写真は、夕食時にホストファミリーの皆さんと撮ったものです。 ホームステイ(男子)

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