海外探検隊 Vol.19
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菊田歩佳 NUSでは、6日間研修を行いました。NUSは、大学ランキングで5年連続アジア1位となっている大学です。キャンパスが1つの街ではないかと思うほど広く、キャンパス内でも移動にバスや車が必要です。博物館、図書館、食堂などの施設もとても充実していました。今回の研修では、熱帯海洋科学研究所で行われているサンゴ礁の研究に参加させていただきました。 今回の研修を通じて、研究には地道な作業の積み重ねが欠かせないことを学びました。今回私たちに与えられた課題は、海中の人工構造物でサンゴをよりよく育てるためにはどのようにすればよいかというものでした。そのために、既に人工構造物で生育されているサンゴの画像から、画像処理ソフトを使い、サンゴの縦・横の長さ、面積を手作業で調べました。正確な値を調べるため、細かな作業が必要とされ、とても集中力を使いました。私たちが疲労困憊していると、研究室の方は私はこれを3年もやってるのよと仰っていました。研修初日の企業と協力して行っている大規模なプロジェクトについてのプレゼンからはそんな地道な作業が行われているとは想像がつきませんでした。私たちが行っているのは研究のほんの一部にしか過ぎず、研究成果を残すには地道な積み重ねが必要であるのだと実感しました。 また、勉強する学生の方の姿もとても印象的でした。キャンパスの中には、至るところに勉強するためのスペースが設けられています。そのような場所で多くの学生が勉強を行っていました。また、NUSで行われた講演会に参加させていただく機会がありました。私は英語で行なわれた講演の内容についていくのがやっとでしたが、NUSの学生の方々は1人複数個も質問をしていました。学生の方々の英語のスキルの高さと質問が出てくるほど深く理解する力に驚きました。NUSに入学するだけでも、優秀な成績であることは間違いないにもかかわらず、さらに勉学に励む姿に私は危機感を覚えました。大学入学時点で既に、私とNUSの学生では差があると思います。その上で、NUSの学生はこんなにも努力をしているため、どんどん差が広がってしまっていると思います。将来グローバルな世界で働く場合には、NUS卒のような人とも仕事をする可能性があり、自分もそのレベルについていくだけの努力が必要であると感じました。 NUSでの研修では、たくさんの刺激を受けることができました。この経験を活かし、今後の学生生活をより一層充実させたいと思います。 8 シンガポール国立大学(National University of Singapore, NUS)の熱帯海洋科学研究所(Tropical Marine Science Institute, TMSI)では、サンゴ礁をはじめとする熱帯に生息する海洋生物等について研究しています。 最終プレゼンの後、お世話になった研究室の方々と一緒に撮った写真です。 シンガポール国立大学 TMSI

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