海外探検隊 Vol.19
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菊田歩佳 Prime Aquacultureの研究室で研修を行わせていただきました。この研究室では、主に魚のワクチン開発を行っています。養魚場で発生した病気の分析を行い、追加のワクチン接種が必要かを判断し、必要があればワクチンを作成しています。今回は、この研究室で4日間研修を行いました。 研究室配属前の私たちにとって、今回の研修が初めての研究室生活となりました。研修では、電子機器や実験器具の使い方を実際に使いながら学びました。また、海外と日本の研究職の違いや企業と大学の研究室の違いなど興味深いお話を聞かせていただきました。 この研修を通じて学んだことは大きく2つあります。 1つ目は、研究には、精密さと効率が必要であるということです。研究で行う実験は細菌を扱うため、他の細菌が混入したり、細菌が他の場所に付着したりすることがあってはなりません。このため、細心の注意を払いながら実験を行う必要があります。様々な点に気をつけながら行うと、想像以上に時間がかかってしまいました。高校や大学の授業で行った実験と比べて、研究の実験で求められる精密さのレベルの違いを実感しました。加えて、研究には効率も必要とされることも実感しました。この研究室には3名の方々が働いていますが、この方々で養魚場で発生する病気の分析からワクチン開発までの全ての仕事をする必要があります。このように、人手が限られているため、実験等には効率が求められます。私たちが悪戦苦闘してる中、研究室の方々はその2倍、3倍の速さで作業を進められていました。精密さを保ちつつ、効率良く作業を進めていく姿を見て、私にはまだまだ経験が不足していると感じました。研究者の方々の技術の高さを身をもって知ることができました。 2つ目は、アプローチの仕方の重要性です。私は専門用語の多さから、生物学には苦手意識を持っていました。しかし、今回の研修では実際に体験しながら学ぶことで、理解が進み生物学にも興味を持つことが出来ました。アプローチの違いで、同じ対象に対してイメージが変化するというのは初めての経験でした。研究室の方々は、悪戦苦闘する私たちを見るたびに、自分のやりやすい方法を見つけてとよく仰っていました。仮に1つのやり方が自分に合わなかったからといって、苦手意識を持つのではなく、他のアプローチを試してみようと思いました。その中で自分に適している方法を見つけたいと思います。 企業の研究室という貴重な場で研修をさせていただいたこと、改めて御礼申し上げます。 6 この企業では、シンガポールの沿岸で食用魚の大規模養殖を行い、販売を行っています。 研究室で解剖の実験を行った際の写真です。養魚場で飼育されていた病気にかかった魚を実際に解剖しました。 Prime Aquaculture

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