海外探検隊 Vol.19
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34 整するためには、今後の個体数の増減を予測することが不可欠です。その手段として、プランクトンネットを用いて調査を行っています。採集することができた稚魚や、その餌となる動植物プランクトンの数から全体の数を推定することで未来を予測して漁獲量の調整をしているようです。 植物プランクトンの量は、クロロフィルaの量を機械で計測することで知ることができます。しかし、後者の稚魚などの分析では目視に頼ることがあるそうです。そのため今回のアクティビティを行いながら活動内容は大きく異なるものの、地道な調査という点で似ていると感じました。プランクトンネットを用いた調査は、今後私が環境科学科として学習を続ければ必ず取り組む実習です。それにつながる、非常に貴重な経験でした。 さて、今日の学習ではタイの生態系の豊かさについて改めて学びました。そして、非常に長い海岸線がタイの多様な生態系を支える要因のひとつであること、その多様性を維持するために砂浜が重要な役割を果たしていることなどを新しく知ることができました。そして実際にBangsaenの海で調査を実施して、貝類やマリンワーム、フジツボやカニ、打ち上げられている魚などのたくさんのものを目にしました。これらが多様な生態系を支えている土台であることの実感を今日は持てませんでしたが、ただ机で学ぶだけではなく、実際のものを見て知るという経験ができて本当によかったです。 最後に自分の考察です。タイの生態系の豊かさの一因に砂浜があると学んだと述べました。これを聞いたとき、もしかしたらこれは日本にも当てはまるのではないかと考えました。日本には確認されているだけでも約9万種、未確認のものを含めると約30万種の生物がいるとされています。これを支える要素の一つに島国特有の海岸線の長さと砂浜の面積の大きさがあるのではないでしょうか。 環境2・井上 智朗/メンバー Bangsaen Beachの生態調査記録

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