海外探検隊 Vol.19
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33 <8月10日> 沿岸部の生態調査 本日は久しぶりに自然の中での活動が中心でした。まず朝の9時からオンライン上でタイやBurapha University Institute of Marine Science(BIMS)に関係するMarine Biodiversityについて講義・紹介を受けました。そこでタイにおける生態の多様さを学んだのちに、潮の都合があり駆け足でBangsaen Beachに向かい、そこで生態調査を実施しました。 昼食をはさみ、次はBangsaen Beachから少し離れた位置にあるLaem Thaenでの生態調査です。その後Monkey Hillを訪れ小休憩を挟み、BIMSの研究室の1室を使い採集した貝の計測と分類を行いました。今日の活動はこれまで海洋環境科学科として学び、実地での調査の重要性を何度も説明されてきた私にとってとても印象的でした。これが人生で初めての現場での生態調査だったからです。今回の生態調査の手法は、砂浜に開始地点を定め、そこから15 m、75 m、100 mの位置の土をとり、ざるを用いて貝や線形虫のようなものを採るといったものです。干潮時に調査を行いlower tideやmiddle tideにいる生物を調査しました。本メールに添付いたしました画像は、Bangsaen Beachにて生態調査を実施しているときの記録です。悠一朗が書記をしておりました。 私は沿岸部の陸側にいる生物や生態系にはあまり興味を持ってませんでした。そのため今回は自分にとって面白いものではないのかもしれないと考えながら研修に臨みましたが、そうではありませんでした。海洋環境や海洋資源の分野においてプランクトンネットという道具を用いた重要な観測があり、それに通ずるものがあると感じたからです。しかし詳しいことは分からなかったため、研修後にはそれを調べることから始めました。 プランクトンは地球環境の変化にともなって増減し、生態系に影響を与えます。例えば植物プランクトンは海水温の上昇に伴って減少して、生態系ピラミッドの崩壊の原因となるのです。そのため、環境を評価する生物学的な手法としてプランクトンの採集は重要な意味を持ちます。 また、海洋資源の管理・維持にもこういった採集は重要とされています。生態系を崩壊させないように漁獲量を調

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