海外探検隊 Vol.19
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30 <7月25日> タイのトマト 本日からブラパ大学での研修が始まりました。オリエンテーション後の午後からは王立クンクラベンベイ開発研究センターの方による案内のもと、短時間で様々な施設を訪問した内容の濃い1日となりました。このセンターでは、哺乳類や鳥類、魚類、植物と幅広く管理が行われています。日本にはない魚や植物もありましたが、日本にいるもしくは日本にいるものと似ている哺乳類や鳥類、魚類、植物も多くあり、関心を持ちました。その中でも、非常に興味を持ったトマトについて、日本とタイの違いを考察します。 私は、食べ物の中で唯一幼い頃から頑張っても食べられないものがトマトになります。ところが、タイに来て、料理にトマトが入っていても気にせずに食べることができています。初めは、料理の味付けが濃いため気にならずに食べられていると考えていました。しかし今回、Agriculture work farmで採りたてのトマトをいただき、トマト自体が食べられることが分かりました。タイのトマトは日本と異なり細長く、果肉の青臭い匂いと噛んだ時の酸味や口に広がる青臭さが弱いことが食べられた理由であると考えます。そして私は、トマトの食べ方の違いがそのような違いを生んでいると考えます。具体的に、日本では生のトマトをサラダの食材として食べることが多いですが、タイでは生のトマトがついてくる料理を一度も見かけていません。トマトをそのまま食べる日本では、味の強さや香りが求められ、タイでは濃い味付けが多いことから味や香りよりも食感が求められているのではないかと考え、調べたことを下記に示しました。調べた中で主な原因は、暑さによるものでした。タイで甘くて美味しいトマト作りに取り組むジャパン・アグリ・チャレンジによると、嗜好性としてはトマトを美味しくないと感じているタイ人が多いそうです。また、株式会社セイコーステラによると、タイのような高温な日が連続すると、トマトが疲れ、味が悪くなるといった現象が起こるそうです。そこで、高糖度のトマトを生産できるよう、様々な企業が取り組みを進めています。タイでトマトが好まれなくても使用されていることを踏まえると、栄養素や彩りの面で欠かせない食材であるため用いられているのではないかと考えました。 食品・川野 桃子/リーダー

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