海外探検隊 Vol.19
28/40

28 <8月12日> プレゼンテーション 今日はシンガポール国立大学(NUS)研修最終日であり、シンガポールでの研修の最終日だった。午前中はプレゼンに向けて準備、最終確認を行った。研修の結果からどのような考察ができるか、どうすればサンゴの人工建造物をより良いものにできるかをみんなで議論できた。午後も最終確認をしてから、プレゼンを行った。プレゼンにはこれまでやってきたこと、実際にセントジョンズ島やマリーナで見てきたことを反映させることができた。実際にフィールドワークを行うことは、学習する人の引き出しを増やし、より効果を高めるものだと感じた。 NUS研修では、研究とはどういうものなのかがよく分かった。1つの研究結果を出すまでには、その裏にたくさんの調査、作業があり非常に時間がかかるということ、結果を出せれば終わりというわけではないことに気づいた。これは人のプレゼンを聞くだけではなかなか気づくことは容易ではないだろう。実際に、プレゼンの質疑応答では、「日本にサンゴのための人工建造物を置くとしたらどのような課題があると考えられるか」や「今回考えた建造物はたくさん置くべきだと思うか」といった今後の想定に関する質問もされた。今回は、研究結果から人工建造物をどう改良するのがよいかを考えるプレゼンだったため、その点に関して提案することがゴールであった。しかし、この質疑応答を通して、私たちが研修として行っていた部分は、研究のほんの一部にすぎず、さらなる次の課題がいくつもあり、それも考えなければいけないのだと気づいた。これから研究室に配属される身として、こうした研修ができたことは非常に勉強になり、良い経験であった。事前研修では、質問に上手く答えられない場合は他のメンバーにパスを出すことも大事であることを学んだ。今回の質疑応答ではどの質問に対しても、メンバーそれぞれが積極的に自分の意見を言っていて、シンガポール研修で成長した部分の一つではないかと考える。メンバーがいかにこの研修に取り組んでいたかが反映されたプレゼンだったと思う。 プレゼンが終わった後はNUSのサイエンスミュージアムに行った。ここは魚、昆虫、鳥、恐竜、植物など非常に幅広い生物の展示があった。シンガポール周辺のアジア諸国の生物の標本や動画も多く展示されているため、生物の形態や生物多様性が一目で分かった。海洋大にもミュージアムはあるが、NUSサイエンスミュージアムは大学の博物館として規模が大きく、NUSが世界トップレベルであることをここでも感じた。 今回のンガポール研修では実際に目で見ることで、体を動かすことで、今まで気づかなかったことに新たに気づくという場面が多々あった。自分で情報を収集する意義も考えさせられた。 この1か月は初めてのことがほとんどで、困難にも直面した。メンバーが考え、それぞれ行動を起こしたため、困難も乗り越え、1か月過ごすことができた。シンガポールでの研修はこれで終わりだが、メンバーそれぞれがシンガポールで得られたことを持ち帰って、日本でも常に自己の成長のために高められたらと思う。 最終プレゼンテーション 生物資源3・田川 輝/サブリーダー

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る