海外探検隊 Vol.19
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惣坊 茜音 私たちは3つのフィールドワークを通して、タイ文化や産業の理解を深めることが出来ました。本稿ではこれらのフィールドワークを通して得られたことについて記します。 まず、マングローブ植林です。タイではエビの養殖等の産業発展のために天然のマングローブ林が伐採されてきました。マングローブ林の減少により生物多様性に影響を与えたことから、植林の必要性が問われるようになりました。私たちはこの事前知識を他のアクティビティを通して得た上で植林に臨みました。泥地に素足で入り、等間隔に整備するようにマングローブの苗を泥の中に埋め、棒に括り付ける作業を行いました。泥の中は非常に身動きがとりづらく1つの苗を植えるだけでも多くの時間を要しました。私はこの大変な手作業を通して、人間が産業発展のために簡単にマングローブ林を破壊してしまったことと、それを取り戻すことの大変さを身をもって体験することが出来ました。 次に、チキンテンプル訪問です。ここは仏教の寺院であり、多くの大小様々な鳥の像と黄色の蓮の花、マリーゴールドで装飾されていることが特徴的でした。私はたちはここで参拝作法やおみくじ体験をしました。日本と同じ仏教が主に信仰されていますが、寺院を訪れる地域住民の信仰心の厚さには日本とは異なるものを感じることが出来ました。タイの仏教では徳を積むことが美徳とされています。私たちはタイ人との交流を通してタイ人の心の広さや優しさを実感しており、この仏教の教えとの関係性を深く理解することが出来ました。 最後に、アンパワ水上マーケットへの訪問です。ここではタイ人の水上生活や食などの文化を学びました。運河の両岸ではお土産屋やタイ料理、海鮮料理、スイーツ、カフェなど様々な出店が並んでいました。運河を走る船や、橋から運河に飛びこんで遊ぶ近所の子供たちの様子などから人々が運河を通して水と共生している様子を観察することが出来ました。観光客が多い印象でしたが、それと同じくらい地元の人々も訪れており、タイ人の生活にとって欠かせない場所であることを知ることが出来ました。 以上の3つのアクティビティを通して、五感を使ってタイを体験することができ、産業や文化への理解をより深めることが出来ました。コロナ禍で渡航が制限されたことによって私たちは他文化というものを感じることが難しくなりました。久しぶりに体感した他文化というものは、私たちが机上で学ぶものとは比にならないほどの考えを私に与えてくれました。感じたことを忘れずに、これからの生活に活かしていこうと思います。 21 フィールドワークでは主に3つのアクティビティを行いました。1つ目はマングローブ植林、2つ目はチキンテンプル訪問、3つ目はアンパワ水上マーケットへの訪問です。 この写真は、マングローブ植林を行っている様子です。いかに沼が深いかが分かると思います。 バンコク近郊フィールドワーク (マングローブ植林・

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