海外探検隊 Vol.19
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2 第19期海外探検隊を終えて 現在国際情勢は混乱を極め、国内に目を向けても様々なトラブルが続いています。不寛容な社会が形成されつつもあり、多くの論点で社会の分断が目立つようにもなってきました。コロナ禍の混乱もまだ収束しておらず、世界の多くの国ではマスクの着用義務が終わっていますが、日本では先が見通せない状況が続いています。国際社会は、そして日本は今後どこに向かうのでしょうか。 そうした混乱の中で、2020年3月以来(第14期派遣)、約2年半ぶりに第19期海外探検隊を2022年7月から8月にかけて再開することができました。数々の試練を乗り越え、最後まで頑張った参加学生たち、支えて下さったご家族の皆様、またプログラムの実施に協力して研修の受け入れ先となった海外大学、企業、政府機関、そして学内の事務職員を含めた全ての協力者の皆さんに深くお礼を申し上げます。 世界各国の国境管理における水際対策が異なる中で、この2年半、海外探検隊の再開に向けて、常に最新の情報収集に努めてまいりました。同時に学生募集も毎回続け、海外派遣の可能性を探ってきました。何度も挫折を繰り返しましたが、2022年7月、遂に満を持して11名の学生たちをシンガポールとタイの2カ国に派遣することが実現しました。 この夏海外探検隊に参加した学生たちは、多くの同世代の若者たちと出会ったのと同時に、社会で活躍する社会人とも交流しました。その経験から自分たちの現在の立ち位置を確認し、それを今後どう軌道修正していくべきかなど、深く自分を見つめることができたことでしょう。そして成長著しいシンガポールやタイの姿を見て、日本の何が問題であるのか、なぜ成長が止まってしまっているのか、その原因を考えるヒントをつかめた学生もいるのではないでしょうか。一方、日本を海外から見つめ直したことで、あらためて日本の良さにも気づいたはずです。 本報告書には、学生たちの気づきがたくさん含まれています。同時に、これは通過点の記録でもあり、今後学生たちは何度も自らの殻を脱ぎ捨てて成長を続けることが期待されています。国際社会の未来、日本の未来は若者たちの本気度にかかっているのです。学生たちの成長の記録をぜひご覧ください。 海外探検隊プログラム 担当教員 小松俊明

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