海外探検隊 Vol.19
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井上 智朗 8月8日から8月15日までの間、私たちはブラパ大学バンセーンキャンパスで研修をしました。私はその研修の中でも、水族館に関連するアクティビティについて記します。 水族館研修は、初めにオンラインで講義を受け、知識を身につけて、その後実際に水族館のバックヤードを見学して現場を知るという流れでした。ここでは興味深かった2つの講義と、バックヤード見学について紹介いたします。 1つ目の講義は水産生物の養殖についてです。特にタツノオトシゴやアネモネなど、タイによく見られるマングローブやサンゴ礁といった環境に生息する生物に関して学びました。私はこの講義の中で、自然環境の中ではアネモネの生存に不可欠なサンゴ礁も、養殖に際しては必要でないという内容が印象深かったです。自然環境と養殖環境の違いを理解することが効率的な養殖に繋がるのだろうと考えました。 2つ目の講義は水族館での取り組みについてです。水族館は水産生物を健康的に育て上げるために、生体の日々の健康管理、餌、水質の管理や維持など本当に多くの内容に気を遣っていることを知ることができました。 この水族館での取り組みの講義は午前に行われ、その日の午後には早速水族館のバックヤードを見学することができました。普段見る機会のない水族館の裏側の見学だけでも貴重な体験です。しかし今回のアクティビティでは事前に知識を身につけて、後の見学で実際の現場・環境・道具などと結びつけることのできる非常に学びのある体験でした。講義では生命を維持するために展示水槽、砂濾過層とエアレーションタンクの3つを繋げていることを知りました。 しかし講義だけでは砂濾過層やエアレーションがどのような形をしていて、どのくらいの規模であるのかを理解することができませんでした。水族館見学はこのような直接見ることでしか分からない疑問を解消することのできるアクティビティであり、とても楽しかったです。 これらの研修が有意義なものとなったのは、現地の大学院生や先生などが親身な指導をして下さったおかげです。私たちの些細な疑問にも真剣に答えて下さったおかげで、豊富な知識を得て多くの経験をすることができました。 このようにバンセーンキャンパスでの水族館研修では水産生物の養殖について多く触れることができました。しかし私が得たものはこれだけではありません。知識と経験を繋げることの大切さを、実体験を通じて理解することができました。普段の大学では、それぞれの分野の専門家である教授からたくさんの講義を受けています。それらをただの知識で終わらせるのではなく、今後は自分からその知識を経験と結びつける機会を探したいです。 17 ブラパ大学バンセーンキャンパスには、Institute of Marine Science Museumという水族館があります。生き物の展示だけでなく、養殖や生活史の研究などにも取り組んでいます。 写真は水族館のバックヤードを見学しているメンバーの様子です。 ブラパ大学/バンセーン研修

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