海外探検隊 Vol.19
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松崎愛海 JCCは日本の「いま」を発信する拠点であり、日本を知ってもらうことで経済・政治の面でその国との友好な関係を築きます。JCCは半分は外務省職員、もう半分は他の省からの派遣で構成されています。この方針は専門性の向上を目的としていると聞き、効率的だと感じると同時に、1人で1国のその担当分野の総括を行わなければならない責任の重さを感じました。 私たちは8月のはじめにJCCでの陸前高田展のお手伝いをしました。業務内容は、お客様のお出迎えおよびドリンクの配布、食事の用意や不要な皿の回収などです。 セレモニーでは、次々に仕事があるため臨機応変に対応することを学びました。セレモニーの開始前は4人の中で名簿を確認する係とお客様にドリンクを渡す係に分かれ、私はドリンク担当でした。はじめは緊張で外国人のお客様に積極的に話しかけることができませんでしたが、徐々に慣れていきました。乾杯用のドリンクを運ぶタイミングが早すぎる、お客様が床やテーブルにドリンクをこぼしてしまうなどハプニングも多々ありましたが、どれも4人で考えながら臨機応変に、率先して動くよう意識することができました。これは実際に行動しないと身につかない力であるため、その経験ができたことは非常に価値があると考えています。 このセレモニーに参加した最大の意義は、様々な方と交流できたことだと考えます。大使館に出向されている方々をはじめ、大使館長やセレモニーの参加者である外国人など、様々な方と交流することができました。その中で印象に残っている話が2点あります。1点目は、「科学技術に関して、シンガポールの人は利益に結び付けることを考える人が多く、なにかを学ぶ際にも、近道をしがちである」という言葉です。シンガポール滞在中、至る所で「効率化」を重視している面を目にしました。その日頃の気づきに深く関連する話を聞くことができ、自分の中で納得する部分がありました。2点目は、日本から出向している各省の方から聞いた、各省の詳細です。就職について意識し始める時期に、なかなかきくことのできない国家公務員についての詳しい話を聞くことができたのは今後につながる良い機会だったと感じています。このように、様々な人との交流の重要性を改めて感じることができたことは私たちにとって大きなメリットとなると考えています。 今回のような、海外で日本のある地域の魅力を発信するためのセレモニーに参加できる経験は、学ぶことが多く、私たちにとって非常に貴重でした。 11 JCCとはJAPAN CREATIVE CENTREの略であり、大使館業務の1つとして、日本文化紹介や日本語・日本研究支援、国際交流基金事業などを主な仕事としています。 ジャパンクリエイティブセンター

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