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概要

kaigaitankentai_14

58<3 月17 日>予期せぬことしか起こらない毎日ですが、本日の日報を勝手に書きたいと思います。実は、この3/17 の日報が、ノルウェー隊が始まってから初めての日報です。実に、約1 年ぶりの日報。なかなか緊張しますが、この数日で得られた気づきを記そうと思います。まず、本日の出来事をお伝えします。皆様ご存知のことと思いますが(ご存知どころではなく、むしろ密接に関わっていただいた…)、私たちノルウェー隊は、突如自宅待機状態から開放され、オスロに移動しました。今まで、大学の寮に「14 日間自宅待機」させられると思っていたので、朝9 時ごろ小松先生から脱出ゲームスタートの連絡を頂いたとき、拍子抜けしました。これこそ、「青天の霹靂」というべきでしょうか。実は、小松先生には申し訳なくて言えなかったことがあるのです。それは、たった1 日で、待機生活を楽しいと思ってしまったことです。自宅待機を宣告されたときは、それは皆落ち込みました。「何でこんなに厳しい制限を強いられるの?」、「アクティビティを楽しみたかったのに…」等、少々ネガティブなことを考えてしまいました。しかし、タダでは転ばないノルウェー隊です。アルタに14 日間も居られるなんてそうそうない、何か楽しいことをしよう、と思い始めました。今思えば、これはある意味無理矢理ポジティブに考えようとするマインドコントロールのようなものですね。しかし、このマインドコントロールというものは本当に凄いもので、数時間後には私たちは生き生きと料理を作っていました。昨日の日報で莉奈が言っていたとおり、全員実家暮らしの私たちは「疑似一人暮らし」感覚で、このイレギュラーな生活を楽しみ始めていたのです。運動不足解消のために、深夜に激しいダンスを踊ったり、とにかく楽しく生き生きとしていました。そのため、今日の朝、アルタを出発できるとのご連絡を頂いたとき、メンバー皆、正直に言うと「え、自宅待機終わるの早かった」と思いました。厳しく制限され、身動きがほぼ取れなかった小松先生に、唯一内緒にしていたことです。今日明かしてしまいましたが。以上が私たちの内面の変化についてです。基本、私たちはそこまで精神的に荒れたり、弱くなったりしなかったとは思います。確かに、1度も落ち込まなかったと言ったら嘘になりますが、乗船経験が2 人もいるノルウェー隊は、比較的我慢強く順応性に?けているのではないでしょうか。食品の二人は、楽しかったからやっていけたのでしょうね。今回の渡航では、かなり政府や公的機関、地方自治体のニュースに踊らされました。新しい情報をアップデートしたら、それまでの声明文を取り消したり、突然規則を適応させたり。公的機関の声明でさえ正しい情報が何か分からないのだから、況してやネットニュースなどは正しいかどうかはよく分からないのです。また、同じ情報でも、自治体や個人によって、大きく解釈が異なることも厄介です。この解釈の隔たりによって、私たちは踊らされ、自宅待機とされてしまったのですから。こういった齟齬というものはどこにでも存在します。今回のような混乱した状況に再度遭うことがあれば、今自分は何をすべきか、を客観的に慌てずに考えられるようにしたいと思います。食品2・湯本景子/メンバー