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概要

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32今回のノルウェー滞在は、状況の変化が速く大きく進んで、様々な判断を迫られる日々でした。まず感じたのは、ノルウェー政府の出す措置の速さです。3 月9日に日本への措置をすぐに解除した時点でこの傾向に気づくことができたかもしれないと今となっては思いますが、措置のタイミングと内容ともに、非常に急なものでした。そして痛感したのは、大使館から送られてくる情報がすべてではないということです。地元の人が知っているローカルニュースと、大使館から知らされる情報にはかなりの時間差があると分かりました。私は今まで、まず大使館などの公的機関から発表される情報を待つというのが基本だと考えていましたが、今回のような状況だと、それでは情報が遅く行動も遅れてしまうため、自らローカルニュースを追いかける必要があると学びました。特に待機生活となってからは、待機から離脱し日本に帰るというミッションを達成するために、情報を集めて周りに働きかける現場を体験できたように思います。新しい情報を能動的に集めた上で考えた行動をとることが、問題解決にあたって重要であるということを、身をもって知ることができました。このことは、今後どのような危機に面したとしても、解決の役に立つと考えています。また、渡航直前や渡航中には小松先生を含めた5人で話し合う機会が何度もありました。そのとき、私以外のメンバー3人はすぐにそれぞれ的確な発言をしてくれると感じる一方で、私は自分の番が来るまでにうまくアイデアを出せず、自分を情けないと思うことが多かったです。今考えて思うのは、私には、普段から今の状況において考えるべきことを考え、それを言語化して伝える力が足りていないということです。私は何にでも興味を持って物事に接している方だと思っていましたが、自分が思っているより、深い思考ができていないと気づきました。さらに、考えてそれをまとめるのに時間がかかってしまいます。これからは、何か聞かれてから考えるのではなく、普段から、物事に対する自分の考えを持って行動できるようになりたいと思います。このノルウェー隊で活動していると、ほかの3人の能力がとても高いと感じるので、いつも以上に自分の足りていないところに気がつき、刺激を受けることができました。これからも関係を続けたいと思う仲間ができたことは、今後の財産となりそうです。そして、今回はいつも以上に、私たちを支えてくださっている人がたくさんいらっしゃることを感じました。多くの人にご迷惑・ご心配をおかけしてしまいましたが、皆様のおかげで無事帰国することができました。お世話になったすべての方に、感謝申し上げます。この経験を無駄にせず、ここから学べることを学び、予定していたことができなかった悔しさはバネにして、今後の成?に繋げていきたいと思います。海外探検隊報告書髙井星香