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概要

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24「ピンチをチャンスに」アイルランド隊は、ダブリン・シティ大学(以下DCU)で英語を学び、宿泊はホームステイという、まさに英語漬けのプログラムです。当初は1ヶ月間だった研修期間が、新型コロナウイルスの影響により、2 週間となってしまいました。しかしこの2 週間、初日から最終日まで隙がないほど、実に充実した日々でした。ロンドンで乗り継ぎ、ダブリン空港に到着したときには、日本を出発してから既に14時間が経過していました。私のホストファミリーは夫婦二人暮らしで、朝の6 時から鼻歌を歌うほど陽気な家族であり、とても温かく自由な雰囲気の中で過ごすことができました。この情勢の中で、ホームステイを受け入れてくれたことに感謝してもし切れません。2日目は、DCU での初授業でした。私たちと同じ週から学習を始める生徒は、20 名ほどで、事前に日本で受けたテストを元にクラス分けがなされました。クラスメートは流動的で、1週間目という生徒もいれば、1年間の留学の最終週だという生徒もいます。私は一人、Upper Intermediate クラスへと振り分けられました。比較的日本人が多いDCU ですが、私のクラスには殆どいませんでした。クウェート、ブラジル、フランス、トルコ、韓国など、様々な国から集まった同年代の生徒たちと英語を学ぶことはとても新鮮で、彼らから多くの刺激を受けました。1クラス15名程度で、先生やクラスメートと会話する機会が非常に多く、徐々に発言や質問をする際の抵抗感も薄れていきました。授業では、文法や単語、Writing、Listening、Reading など、日本で学ぶときと同じような教材を使用しましたが、どの場面においてもSpeaking力が必須であることに違いを感じました。例えば、Writing の授業では、あるテーマについてグループで話し合って書く内容を整理し、皆で単語や文法の知識を出し合いながら完成させるということをしました。文法を学ぶときも、単語を学ぶときも、必ず「話す」練習があって、頭で理解していてもそれをアウトプットする難しさを改めて感じました。英語をコミュニケーションのツールとして使うには、暗記したものを活用する力が如何に大切であるか、思い知らされました。その他、授業では頻繁にディスカッションがありました。最初の3 日間は皆の発言力に圧倒され、まさに「ピンチ」の連続でしたが、私は一度冷静になって彼らの英語を分析することにしました。すると、彼らはスピード力に?けていますが、それほど難解な英語を使っていないことに気付きました。また、会話の中で主導権を握るには、スピードだけではなく、的を射た発言をすることが重要だと気づき、少しずつ自分の能力を発揮できるようになりました。短所を真正面から克服することはもちろん大切ですが、状況に応じて短所を?所として捉えるようなポジティブな考え方も必要だと感じました。英語を英語で考え、発言のスピードを上げることは、今後の課題として強化していきたいと思います。休日はDCU のSocialActivity に積極的に参加し、アイルランドの豊かな自然を存分に満喫しました。ジャガイモ主食の文化にも慣れ、帰国後も名残惜しいほどです。南ヨーロッパの情勢が深刻化する中、3 月12 日にDCU も閉鎖となってしまいました。状況の悪化を警戒し、すぐに帰国を決断しました。プログラムを完結させることはできませんでしたが、今回のようなイレギュラーな事態に海外で直面したことは、また一つ貴重な経験となりました。4人一丸となってリスクマネジメントができたことは、今後の自信や糧となるだろうと思います。海外探検隊報告書海谷尊実