ブックタイトルkaigaitankentai_14

概要

kaigaitankentai_14

10シンガポール隊は、2 月28 日から3 月27日までの約1 か月間、シンガポール現地にて様々な企業・研究機関で研修を受けさせて頂いたため、本報告書ではその一部を記述させて頂きます。本研修では、観賞魚の交易、珊瑚の保全と繁殖の研究、コンテナ事業を扱う企業・研究機関に?期にわたってお世話になりました。そこでの研修は、本学で自分が学んでいる、或いはこれから学んでいくであろう内容とは大きく異なり、研修前はそこに異なる言語でついていけるのかという不安が、多少ありました。しかし終わった今振り返ると、事前に持っていた知識による差で、内容についていけなかった、ということはほとんどありませんでした。むしろ、普段とは異なる知見を手に入れることができ、あらゆる面で視野が広がったと自負しております。どの研修も自分の中に、大きな影響を与えてくれましたが、その中でも特に印象的だったのは、Qian Hu とシンガポール国立大学（NUS）での体験でした。Qian Hu は熱帯魚の仕入れから海外の業者への輸出販売までを扱う企業で、その分野ではシンガポールでも有数の会社です。最も?い期間お世話になっていたこともあり、そこでの体験は実に多様なものでした。仕入れた魚を水槽に移すところから、箱詰めして輸送会社に受け渡すまでの一連の過程に触れさせて頂き、また扱った種類も様々でした。日本でも観賞魚に触れる機会はありますが、今までその魚がどの様な過程を経て、ここにいるのか、深く考えたことはありませんでした。交易品が消費者の手にわたるまでの過程、その一端に触れられた良い経験でした。NUS での体験は、現場での研修よりもプレゼンテーションに向けた準備過程が印象に残りました。分析したデータを基に考察した内容を発表する課題であったのですが、メンバーから出てくるアイデアがとても面白く、自分としても知識を実践的に活かせた良い経験だったと思います。本研修では、シンガポールと日本の、国政の相違についても強く感じるところが多くありました。徹底した管理社会、都市の至る所に監視カメラが設置され、現在屋内に入るには体温検査が必須で、今回お世話になったQian Hu も、その設立場所は政府に決定されたそうです。一方、国立大学や企業のスタートアップには政府が多額の支援をしているそうです。短期間で急成?を遂げた理由の一部分を垣間見ることができました。最後になりますが、このような状況の中、本プログラムにおいて私たちを支援してくださった皆様に、心からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。海外探検隊報告書稲葉飛多紀