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概要

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3がわかっているのに見て見ぬふりをするのは問題を先送りしているだけであり、思考を停止させてはいけないのです。誰もが自分なりの方法で未来予想をして具体的な行動をしていくこと、人生はすべてこれにかかっています。誰もが気づく頃に自分が気づいても、もう遅いのです。つまり、いつの時代も「将来予測」ができること、そのための先行投資を積極的にして、変化に対応している人、その人だけが「自由」(主に時間、そしてお金も含む)を得ることができるのです。海外探検隊プログラムは、若い世代がそのようなフリーダムを獲得するための支援をすることを大きな目標に掲げて、具体的なプログラム内容を選定し、大胆に設計しています。現在、日本は二つの大きな問題を抱えています。これから長期間にわたり、その厳しい現実に直面します。一つは「人口減少の問題」です。これは社会保障という、若い世代の未来生活の根幹を脅かし、今後も度重なる増税が心配されることで、多くの世代の日々の生活に多大な影響が出てきます。一方、政治に関心がない若い世代は、日本の現行の社会のシステムを変えることができないため、この問題は長期間にわたって若い世代を苦しめることが予想されています。日本の現在の政治は、投票率の高い中高年世代や高齢者の世代を得させるための社会システムの維持を重視しているように見えますので、政治に無関心で投票にいかない若い世代のために、なかなか動いてはくれません。つまり、年金をはじめ、いろいろな面で若い世代に長い期間にわたり、負担がかかることが心配されています。日本が抱える二つ目の大きな問題は「膨大な財政赤字の問題」です。これは過去40 年間で10 倍以上に膨れ上がった、長期債務残高のことです。現状は1000 兆円を超えており、要は国の借金が雪だるま式に増えているのです。一見、景気がよく、株高であって、学生の就活の結果もいいというのは短期的な目先の現象であり、その背景には、現状の金融緩和政策、つまり日銀が日本の国債を自ら買うという、一種の禁じ手をとっているからです。これはいいかえれば、紙幣を無制限に刷っているようなものであり、日本円の価値を長期的に下げていきます。つまり、日本円で財産を持っていることが、将来その価値が目減りすることを意味しているわけです。通貨の価値が下がればコストが上がりますので、いずれ日本の物価は上がっていきます。それは日本人の生活、とくに貯蓄が少なく、年金をはじめとした社会制度からの恩恵が目減りしている若い世代を苦しめてしまうことになりかねません。つまり、目先の好景気や株高は、今の状態を良くするために問題を先送りしているという見方もあるため、注意が必要なのです。(こうしたことをもっと詳しく勉強したければ、いろいろな経済や財政に関する書籍を読んでみて、自分なりに現状分析と将来予測をしてみてください。)これらのことが将来何を引き起こす可能性があるか、ギリシャをはじめとした過去の世界の事例を見れば、若い世代にとって日本が抱える問題の深刻さに対して当事者意識を持つことが必要です。すべてのことは自分の生活や未来設計に深く関わってきます。賢い若者ならば、無知なままでいること、そうした問題を放置して対策を取らないでおくことは