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概要

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31マングローブで植林をしている様子です。北潟真子Ban Nam Chiaoバーン・ナム・チャアオは、ブラパ大学のあるトラート市内から約8 キロ離れた場所に位置する村です。この村にはイスラム教徒の人々が多く住んでいます。私たちはバーン・ナム・チャアオの村で2 日間、ブラパ大学の学生や村の人々と交流をし、様々な文化や伝統に触れ、日本ではすることのできない貴重な体験をしました。体験の中でも印象深いのは「ランプシェル」と呼ばれる貝の採集です。ランプシェルの採集方法は足の指を使ってマングローブの土に埋もれた貝を探し出すというもので、このような伝統的な採集方法があることにはとても驚きました。マングローブの植林活動も行ったのですが、マングローブは非常に重要な生態系であるとどの方もおっしゃっており、この地域に限らずタイではマングローブを大切にしていることが窺えました。また、伝統的な食文化にも触れることができました。私たちはこの地域で有名なお菓子の「タンミー」の作り方の見学に行きました。見た目は割り箸のような、木を感じさせる見た目をしていますが、味はとても甘いものでした。材料はココナッツミルクと黒糖とグルコースシロップで、鍋で材料を煮込んでから冷やすとべっこう飴のようになり、そこから壁に刺さっている棒に引っ掛けながら、手と棒を使って練っていきました。練っていくにつれて初めは濃い色だった見た目がだんだん薄くなっていきました。私はこの練る体験をさせてもらったのですが、見ている以上にとても難しく、うまく棒に引っかけられずに、途切れてしまいそうになりました。時間が経つにつれて硬くなっていくため、この練る作業にはスピードが必要であるとおっしゃっていました。伝統的なお菓子から、その地域の人々の好みや特産物など地域ならではの特色を窺い知ることができ、とても良い経験になりました。地元の人々との交流の一環で、私たちはイスラムの方が身に纏っている服を着せていただきました。普段着る機会のない服を着たことで、まるでドレスを着ているような嬉しい気持ちになりました。日本にも浴衣や着物など伝統的な装いがありますが、こうした異なる文化の服装を実際に着ることで、異文化への興味がさらに深まることを実感しました。文化や宗教の違いは時に争いを生み、悲惨な結果を生んだ歴史は数多く存在します。しかし、私はバーン・ナム・チャアオの村で違いを理解することの面白さ、自分が知らなかった新たな価値観を知ることのできる喜びというのを感じ、この感覚は人々をつなげる一つの重要な要素であると気づきました。