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概要

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27マングローブを植林していたときの様子です。濵下莉奈マングローブ植林マングローブ林タイには多くのマングローブ林があり、このプログラムではマングローブ林を観察するだけではなく、マングローブの植林をします。日本に輸入されているエビのほぼすべてがタイで養殖されたものであることは、家の近くのスーパーに行けばすぐにわかることでしょう。しかし、実際に養殖されている現場を想像することなく、多くの人たちが毎日エビを食べていると思います。エビはマングローブ林を伐採して作られた地で養殖されており、エビはマングローブ林の生育環境を好むため、タイでマングローブ林の近くに行けば、養殖している現場をすぐに見ることができます。しかしながら、実はこの養殖がマングローブ林を減少させ、タイの環境破壊の原因の一つとなっています。タイはバンコク一極集中で、バンコクに多くの仕事が集まっているため、田舎には仕事が少なく、都市と農村部の収入の差は歴然です。こうした現状の中、エビの養殖は農村部でも安定した収入が得られるため、マングローブ林が近い地方では、エビの養殖を始める人が多く、場所がなくなってくるとマングローブ林を破壊することで生計を立てているのです。つまり、私たちがエビをおいしく食べることが、タイの環境破壊に繋がっています。最近は環境保護団体が中心となり、植林をすることで、マングローブ林を少しずつ復活させています。私たちもそういった保護活動に参加してマングローブを植林してきました。泥だらけになり、歩きづらい中での植林はとても大変でしたが、日本で何も考えずにエビを食べている私たちが植林をすることに大きな意味があったと感じます。このプログラムでは、主にエビの隠れた背景について知ることとなったわけですが、輸入大国の日本にいる限り、そしてグローバル化が進む今を生きる限り、私たちが普段食べているものには、多くの背景が隠れていることだと思います。それを知らないのと知っていてそれを買うのでは、とても大きな差があることでしょう。たとえば、生産者の賃金の問題においては、その製品を買うことを諦める必要はなく、フェアトレードのマークがついている製品を意識して買うことで解決できます。このように、輸入されたものに対しては、問題の情報を手に入れることは少し難しいですが、輸入品が抱える問題を知り、その後は自分なりに解決策を考えて商品を選ぶ必要があることを、マングローブ植林から学びました。