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概要

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24写真はチーズ作りをした時のタイの学生と撮ったものです。久保愛華チュラロンコン大学(1)タイで最も古い歴史を持つ国立大学であり、タイの最高学府です。現在19 の学部と274 の専門コースをもつ総合大学で、卒業生は12 万人以上おり、さまざまな専門分野で国の発展に貢献しています。チュラロンコン大学滞在の1 週目には乳製品について学びました。同じミルクから、粉ミルク、アイスクリーム、チーズ、ヨーグルトなど味も食感も様々な乳製品を作ることができます。詳しい説明をしていただきながら実験を行うことで、それぞれの加工方法についてはもちろん、乳製品の種類についてなど基本的なことから、形状や舌触りの違い、なぜ違いが生まれるかなど、専門的なことまで幅広く学ぶことができました。粉ミルクを製造する際には、スプレードライヤーという機械を使用します。この機械で加工を行う目的や方法を説明していただきながら実際に粉ミルクの製造を見学しました。粉ミルクの製造では、熱によりミルクに含まれていた栄養などが失われないようにマルトデキストリンを加えるなどの工夫がなされています。食品添加物について、なぜその物質なのか、なぜその量なのか等、どのような面が注目されて選ばれているのかを学ぶことができました。実験以外に、タイと日本の乳製品の違いを知るために現地のスーパーで視察を行いました。ヨーグルト、チーズ、粉ミルク、牛乳について味の種類や値段、パッケージ、陳列方法などの比較を行い、買い物客へのインタビューで、値段やブランドなど、商品購入の基準を調査しました。その他にもチーズやアイスクリームを作成し、各工程が味や食感にどのような影響を及ぼすのかを学びました。食感や風味の調製は食品加工において非常に重要な項目です。ただ作って楽しむのではなく、加工の各工程の意味、重要さなどを知ることができました。視察で学んだことをまとめたプレゼンでは、チュラロンコン大学の教授に直々にアドバイスをいただきました。内容についてのみならず、発表の方法や、挿入したグラフや表の改善点も教えていただきました。専門的な内容について表やグラフを用いた発表をする機会は少なかったため、良い経験になりました。チュラロンコン大学での研修は、学部2 年生と1 年生であった私たちにとって難しい内容もありましたが、タイの学生や教授が私たちができるまで何度も教えてくださり、質問にも丁寧に答えてくださったので多くのことを吸収することができました。実験中に自分たちで予想を立てたり、原理を考える、という時間を多くとっていただいたことで、食品についての知識だけでなく、実験での着眼点など、これから専門分野についてより深く学習していくにあたって非常に重要なことを学ぶことができました。これらを活かしてこれからも勉学に励んでいこうと思います。