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概要

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8一番お世話になった方との写真です。#NUS を前に皆、いい笑顔です。松岡眞矢シンガポール国立大学 TMSITropical Marine Science Institute(熱帯海洋科学研究所)とは、シンガポール国立大学の大学院の研究所です。環境海洋科学、海洋生物生態学など海洋に関する様々な研究室があります。私たちは、シンガポール国立大学(NUS)の熱帯海洋科学研究所(以下、TMSI)で4日間の研修を行いました。シンガポール国立大学は、2018 年アジア大学ランキング1位、2019 年世界大学ランキング23 位の大学です。私は大学1年生で、海外の大学院の研究室の研修についていけるのかとても不安でした。TMSI で、私が学んだことは、大きく3つあります。1つ目は、研究の地道さです。私たちは、マリーナベイ近くにある船着き場で生きていたサンゴを移植する研究の一部を任せていただきました。それは、移植したサンゴの、生きている部分のみの面積データを集める作業です。何百枚もあるサンゴの写真、使ったことのないソフト、細かい作業にかなり苦戦しました。しかし、そこで、データの元になる写真も研究室の方たちが集めたもので、その前にサンゴを移植する作業を行っていることに気づきました。1つのグラフを作るために、集めるデータは膨大で、研究はとても地道な作業の積み重ねであることを学びました。2つ目は、研究の大変さです。1日目のサンゴのレクチャーでとても印象に残ったことがあります。シンガポールは、国土が東京23 区ほどの大きさしかなく、海を埋め立てて国土を広げています。埋め立ては、サンゴの上から行われてしまったり、また砂がサンゴの上に堆積し、光合成をできずに死んでしまったりしています。サンゴが海の生態系にとって様々な点から重要な生物であるという事実があっても、埋め立てを止めることができないため、サンゴの移植についての研究をしているそうです。私はこのお話を聞いて、どうにもならないのだろうか、これがベストなことなのだろうかと悩みました。答えは出ませんでしたが、政府の方針に悩みながらも、サンゴを救う方法を考えなければならないという、研究の大変さを知ることができました。3つ目は、研究の楽しさです。データを集めるのはとても大変でした。しかし、最後にそのデータから結果のグラフを作れた瞬間のうれしさは、作業の大変さを勝るものでした。また、プレゼンが迫る中、メンバーと協力して、大変さを分かち合いながら結果を出せたことが、とても嬉しかったです。誰かと協力して、何かを行うことは、時に大変なこともありますが、終わったときの達成感とうれしさを共有できる仲間がいるのは素晴らしいことだと学びました。最後に、探検隊に行く前の私は、研究って何だろうという疑問を持っていました。この報告書を書き、その疑問に少しでも答えられている、今の自分を誇らしく思います。この学びを忘れず、もっと自分を成長させていきます。