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概要

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6今期シンガポール隊の企業研修では、メンバーを2 人ずつに分け、異なる企業で8 日間の研修を行いました。わたしと冴英は、アポロアクアリウムという、養魚場でお世話になりました。この企業は、周辺国から輸入した熱帯魚を中国やアメリカに輸出したり、マレーシアから輸入したハタの稚魚を育てて、国内に供給したりしています。最初の2 日間は、実験室で、水質管理と魚の健康管理について学びました。残りの6 日間は、観賞魚、食用魚それぞれの管理方法について学びました。シンガポールは水資源が少ないこともあり、アポロアクアリウムは水質管理に非常に重きを置いています。全ての水槽は循環水が使用されていて、観賞魚は水道水を、食用魚は運んできた海水を施設内で浄化したものを使用しています。また、バクテリアや紫外線の力を借りて水をきれいに保ち続けていました。特に貴重な体験だったのは、7 日目にマレーシアから運ばれて来た食用魚12,000 匹を水槽に移したことです。魚にストレスを与えないような細かい運搬方法と、スタッフたちのテキパキとした作業が印象的でした。もう1 つ印象的だったのは、どのスタッフも死んだ魚を見つけるとすぐに撤去することです。おかげで水槽内の魚全てがいつも元気であり、スタッフは魚をとても大切にしていることがよく伝わってきました。この当たり前の行動がスタッフたちの心持ちを表している気がしました。この研修を通して学んだことは主に1 つあります。1 つ目は、土地にあった体系を作ることです。シンガポールにあるチャンギ空港は、ハブ空港として有名です。観賞魚は飛行機でしか運搬できないという性質を生かし、周辺国の様々な観賞魚をシンガポールに集め輸出していました。日本も同じように日本しかできない養殖ビジネスの形を模索していくべきだと感じました。2つ目は、役割を細分化する意義です。アポロアクアリウムでは、観賞魚の管理と食用魚の管理は違う人が行います。小さな変化に気付き、迅速に対処できるシステムが確立されていました。チーフの方はとても優しく、その優しさからか、企業で働く全ての人が生き生きと働いていました。ケータリングサービスで運ばれてくる昼食はとても豪華で、スタッフを活気づけます。スタッフの方々は、魚に関する知識が浅いわたしたちに、ひとつひとつ丁寧に教えてくださり、8 日間で多くのものを得ることができました。将来はこのような生き生きと働ける環境で働きたいと思いました。堤 優貴Apollo Aquarium