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概要

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258 月1 日に、私たちは「Trip to the South」ということで、バンコクから車で3 時間程のところにあるペッチャブリーに連れて行っていただきました。バンコクから離れるほど、高い建物がなくなり、代わりに塩田が広がっていきました。旅の目的は、国民の生活を改善にするために故プミポン国王が行った、ロイヤルプロジェクトの一つ、「The Laem Phak Bia Royal Project」を見学することでした。プロジェクトの実施前は、産業排水や生活排水が川や海にそのまま流していたため、生き物が棲めないほどに水が汚くなっていました。そこで、水をきれいにすることに加え、住民の暮らしをよくするために、自然をを利用して排水を浄化する方法が考案されました。広く浅い池を作って太陽光で殺菌したり、マングローブを植えることにより、水をきれいにする働きを持つ細菌が好む環境を整えたりしたそうです。今では、植えられたマングローブ林が成長して数多くの鳥のすみかとなっており、干潟にカニやハゼが生息しているのを見ることができました。このプロジェクトには科学者も参加していて、科学のことだけでなく、地域社会のこともよく考えた良い例だとチュラロンコン大学の先生はおっしゃっていました。科学者の入り口に立っている私たちに向けて、将来広い視野をもって人々のために働くような科学者になってほしいと伝えたかったのだと思います。その後の3 日間は3 名の大学院生指導の下、スプレードライングの実験を行いました。インスタントコーヒーの粉末を製造するときに使われる手法で、液体を高温なガラス管内に噴射することで粉末にすることができます。密度の異なる2 つのサンプルを用意して、どちらが他の物質をコーティングする材料として適しているかを調べました。色々な分析を行いましたが、決め手となったのは、液体の量に対してどれくらいの量の粉末が回収できたかで、高いものが適しているという結論になりました。この研究室では糖度計や粘度計など様々な実験器具の使い方を知ることができて、大変勉強になりました。帰国が迫った8 月8 日には成果報告会を行いました。先生方による挨拶に続き、台湾の学生4 人が1 人ずつ発表を行いました。活動内容は同じでも重点を置くポイントが発表者によって違ってどれも面白かったです。私たちの発表との一番の違いはイラストや写真が多くてわかりやすかったことです。私は緊張して言葉が出てこなくなるのが怖くて、スライドに文字を入れがちですが、克服するべき課題だと気づかされました。最後になりましたが、このプログラムでは多くの出会いがあり、たくさんの刺激を受けました。もう二度と会えない方もいるかもしれませんが、このプログラムに関わったすべての方に感謝申し上げます。瀬畑志帆チュラロンコン大学(2)