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概要

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14企業研修の翌週は、香港大学の研究室で研究のお手伝いをしました。香港大学は、世界でもトップクラスの学力を誇ります。20 日間私たちとともに過ごしてくれたバディ達も含め、香港大学の学生達は学力だけではなく語学力も非常に優れていました。留学生が多く授業も英語で行われているそうで、英語に対してあまり抵抗がないようです。積極的で自身の意見をはっきりと述べる彼らに、私はただただ圧倒されました。香港隊メンバーは2 名ずつ2 チームに分かれ、私たちチーム1 はマングローブ調査に、チーム2はマイクロプラスチック調査に参加しました。ここではチーム1 の活動を紹介します。マングローブと一言にいってもその着目点は多種多様です。何人かの研究生に研究内容を教えてもらいましたが、ある人は様々な生物の幼生を顕微鏡で観察していたり、またある人はカニの同定に勤しんでいたり、と各々が興味のあることを黙々と追求していました。学部1 年生のうちに研究室というものの雰囲気を味わえたことは貴重な経験になりました。研究室で一番お世話になった方はゴミ問題の解決方法を探っていました。実はいま、世界中のマングローブでゴミ問題が深刻化しています。大量のゴミが潮汐により流れ着くことで木々が枯れてしまい、結果マングローブ特有の生態系が崩れ始めているのです。私たちは青島にあるマングローブ林に移動し、漂着したゴミの成分や大きさを記録しました。量が多く、一つ一つ数えあげるのには苦労しましたが、環境科学科に在籍している身としては非常に勉強になりました。右上の写真はそのときのものです。隣では野生の牛の家族が遊んでいたり、足下ではハゼが飛び跳ねていたりと、マングローブの豊かな生態系を肌身で感じることができました。そして最終日にはチーム2 と合流して魚市場に行きました。驚くことに香港では海産物を生きたままで売るスタイルが定番のようです。魚たちが水槽の中で泳ぎ回る様子はまるで水族館のようでした。また、桟橋の横に並ぶ船では市場を介さず人々に直接売っていました。橋の上から注文をし、バケツを使ってお金と商品の交換を行うそうです。原始的で、信頼関係が必要になるかと思いますが、安く新鮮な状態で売り買いができるこの販売方法は興味深かったです。香港大学での1 週間はまるで大学院生になったかのような気分でした。責任はすべて自分自身にかかりますが、気軽にフィールドワークができたり好きなことを突き詰められる自由な環境はとても魅力的に感じます。私も、はやくやりたいことを見つけて、彼らのように生き生きと研究をしたい、そう思える研修でした。森田千尋香港大学(1)