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概要

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73/11~3/17 の1 週間は、バンコクから高速バスで約4 時間半かかるチャンタブリー(Chanthaburi)という地域にあるブラパ大学(Burapha University)にお世話になりました。まず、1 泊2 日でバンナムチエオ(Ban NamChiao)という漁村でホームステイをしました。タイ人の多くが仏教徒である中、カンボジアの国境に近いこの地域では、ムスリムの方が多く住んでいて、仏教徒とイスラム教徒が共存している珍しい地域です。漁村体験をするだけでなく、イスラム教文化に触れることができました。イスラムの伝統的なお菓子を作ったり、子どもたちと一緒に伝統的なダンスを踊ったりしたのが思い出に残っています。滞在中に印象的だったのが、異文化の共存です。チャンタブリーに来る前、休日に寺院などに行っていたこともあり、タイ人の仏教に対する信仰の深さを目にしました。そのため、何度もここの仏教とイスラム教の共存のすごさを実感しました。世界では、歴史の中でも現在でも、宗教の違いが原因で争いが起こっています。以前は、多くの日本人と同じように無宗教ということもあって、宗教の違いによる争いを理解できませんでしたが、バンコクの滞在と漁村での滞在で、宗教について深く考えさせられたため、今では少し理解できたと思います。さらに、クンクラベンベイ(Kung KarabaenBay)周辺の施設を見学しました。クンクラベンベイは、主にマングローブ林の破壊によってきれいだった湾が汚れてしまい、様々な環境や生き物が破壊された地域でしたが、完全ではないものの再生した地域です。この問題の主な原因はマングローブ林の破壊ですが、マングローブ林の再生だけをすればよいのではありません。環境は全てつながっているからです。そこで、湾周辺地域では無農薬農業を進めていたり、水の浄化機能を持つカキの養殖を行っていたりと、多くの取り組みを行っています。日本で私は、マングローブ林の破壊は日本人がエビを大量に輸入するからと学校で教わっていたため、タイ人はエビ養殖業をやらなければいいのにと思っていましたが、実際に養殖場を見て、現地の人々にとってエビ養殖業は生活をするために必要な、重要な産業であり、簡単にはやめられないということに気づきました。そのため、現地の人々の生活を守りつつ、自然の再生をも行ったというのは、本当に素晴らしいと思いました。他の環境問題についても、その原因に関わっている人の生活を守りながら、問題解決しなければならないということがよくわかりました。このように、ブラパ大学の研修では様々なことを経験しました。宗教・文化・環境問題、これらと人々との関わりを深く考えた1 週間でした。これからは、世界の様々な問題に積極的に関心を持っていこうと思います。市川史菜ブラパ大学