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概要

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14香港大学では、食品学科と、生物学科の研究室でお世話になりました。食品学科では、実際に香港大学の学生が行っている実験と講義に参加させていただきました。講義ではフリーラジカルと抗酸化物について学びました。また、行った実験は、エームズテストを用いた変異原性の検査、中国の薬草からとれる成分の腎臓病に対する効果の検証、安定剤を用いたマヨネーズの作成です。実験を理解するためには、生物学や化学などの知識が必要であり、これまで学んできた基礎科目の大切さを実感しました。また、実験に参加させていただいたことで、実験器具の基本操作や実験の考え方、基準曲線の作成方法などを学ぶことができ、2 年次の実験の事前学習になりました。実際に、2 年次の実験が始まり、すでに吸光分析の方法やマイクロピペットの使い方など、香港大で学んだ知識が活かされています。食品学科での体験は、食品生産科学科に所属する者として、1年次に学んだことや、これからの学びに繋がるところも多く、非常に有意義なものでした。生物学科では、研究の一部を体験させていただきました。海底から採取したサンプルの中から貝虫という甲殻類の殻を、顕微鏡を用いて取り分け、その種類を分類する作業です。とても細かい作業であり、集中力を要しました。貝虫は2 枚貝のような左右に分かれた殻に全身が包まれており、ウミホタルなども貝虫にあたります。このような基本的な知識も全くない状態で始めた作業でしたが、研究室の学生が非常に丁寧に教えてくれ、その特徴なども詳しく学ぶことができました。分類を行った後は、より高度で精密な顕微鏡を用いて、数種類の貝虫の拡大写真を撮影しました。これらの作業は、専門的で狭い分野に思えましたが、この分類を用いて、過去の海の環境を知り、さらに当時の気候変動について予想することができるそうです。細かい分類作業が、地球規模の変化を知ることに繋がることが予想外であり、興味深かったです。香港大学では、講義や実験は全て英語で行われていました。学生は何の問題もなく授業や説明を受け、互いに英語でコミュニケーションをとっており、その英語力に衝撃を受けました。また、実験操作にも慣れており、一つ一つの作業が早いことも印象的でした。言語面でも、そのほかの知識面や技術面でも非常に優秀であり、そのような学生達との交流により、今後の学習や実験に対する意欲が高まりました。香港大学で学んだことを海洋大でのこれからの学習に活かしていきたいです。久保愛華香港大学 生物科学院食品学科/生物学科